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『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』(The Florida Project)
 2017年 アメリカ映画
 監督 ショーン・ベイカー

 素晴らしい映画ではあるが、このような題材の映画は、映画の出来以前の思いがどうしてももたげてしまう面倒くさい人間なんだよな…俺は😅 見終わった時に思ったのが『万引き家族』だなって… 弱者と呼ぶには少々抵抗がある逞しい親子。事実、トニーガトリフやダニス・タノビッチが描く弱者とは根本的に違う。そういう弱者から見れば、なんじゃお前ら!って事になるだろうが、でも、毒親に育てられたとなると…やはり彼女らも弱者と言える。

 そして、その彼女の子も…弱者の連鎖。負は負を呼ぶ。どこかで断ち切らないと。行政が入るのは仕方かない事。これを悲劇と言ってはいけないし…。親子を引き裂く行政。こんな風に描きがちだが、人間他人事なら言いたい放題…それが世論。そして世論に敏感な行政。だからブレる。児相の動きが鈍いのはそこからきている。虐待から救えない。むやみに親子を引き離してはいけないと…。

 この手の映画が、児相のブレを助長していると言えなくも無いのだ。しかし、テロを扱う映画なんかもそうだけど、物語として単純に楽しめない偏屈じじいで、我ながら呆れている(笑) ヘイリー役の女優木下優樹菜にそっくりや。子供達が自然で素晴らしい。ビビットな映像は良かった。世の中は危険だらけ。ボビーがいなかったからヤバイぞ。

pie造(2019.4.13掲載)


 
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BGM「春の予感」