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 乙一

 初物作家。
 これは良かった。
 いや、今年1番かもしれない。

 文章がこなれてない気がしたんだよ。
 主人公がみなコミュニケーション能力に欠けるって感じだから、
 狙ってそうさせているのか、元々そういう特徴がある作家なのか?

 いずれにしても、思春期の不安定さや危なっかしさ、
 不器用さなんかを引き出す事にうまく繋がっている。

 素晴らしい。

 1話目(calling you)は、
 ちょっと予測してなかったラストだけに、かなり印象深い。

 2話目(失はれた物語)も印象深い、とにかく引き込まれた。
 オチは弱かったけど、
 そのオチがどうなるのか気になって気になって、グングン読ませる。

 7話目の(マリアの指)は、ミステリーとしても一級品。

 他の話もみなよく出来てる。

 なんとなく、子供に戻れた気がした。
 これだから、読者はやめられない(^-^)/

 ちょっとダークなんだけど、この作家、
 白乙一と黒乙一があるらしく、本作はどちらかというと白らしい。

 いや~黒乙一を読みたくなったよ。

 やっぱ俺
 ダークサイド作品が好きなんやな(笑)

pie造(2016.7.14鑑賞)


 
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BGM「春の予感」