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    その28 コマ回し

Report by ミースケ
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「希望回復作戦」

Music of My Mind
 

 とある研究授業を参観しました。

 生活科「むかしあそびをやってみよう」
 ということで、ヒモごまに挑戦するというもの。

  

 担任の先生の力で、クラス全員でこまをまわせるようになろうという目標を掲げ、クラスがひとつになっていた。

 グループ毎に「できたー」と歓喜の声が上がる中、あるグループの女の子は、一人もくもくと取り組んでいる。

 周りの子はあまり余裕がなく、自分の活動に一生懸命だ。
 おしい。あとちょっとなのに・・・。

 担任の声「参観の先生方も声をかけてください。」とのこと。

 よし。まかせろ。

コマ回し

コマ回し

 小学生の頃、「こっぱ」(こまをたたきつけて相手の動きを弱める、ローカル色満載の技)で、近所の子どものこまを葬り去ってきた腕が鳴る。

 友達との関わりを邪魔しないようにしたいので、助言は最小限に。
 付きっ切りにならぬように。

 一年生は、まだ説明するよりも
「こーやってこう」とかいう教えあいが中心だ。

 今思えば、その子にとっては物足りなかったのかも。

 巻き方はうまい。

 そこで、構え→投げる位置→こまを水平にする→ヒモを引くことを助言し、ふと目を他の子どもにやったとき・・・

 できたーーーー!!

 コロコロコロ。
 その子、泣いていた。一生懸命やった結果なんだろうな。 

 よくやったねと声をかけるとともに、「どうやったらうまく出来たの?」なーんて、仕事っぽい声掛けもしてみる。

「ヒモをひくことを忘れていたんです。」

 なるほど。

 気づきは、観察すること・試すこと・繰り返すことで高まっていくものだと、その児童から学ばせてもらった。

大成功!

大成功!

 帰りにその児童とすれ違った。

「先生!こまありがとうーー!!」

 なんと素直な子じゃないか。

 

 さらに翌日の道徳の授業(授業参観)で、
 やさしさをテーマにした授業が展開されたという。

 子「○○先生にこまを教えてもらったことです。」

 親「(だれだ??ザワザワ・・・)」

 ちょっとしたどよめきが起こったらしい。

 それにしても、いいクラスだった。
 そして、少し教師として自信を与えてもらった。

 こちらこそありがとうといいたいよ。

《配信:2019.11.3》ミースケ ミースケ

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