「コミタス」より忘れじの台詞 by 真魚
どうして生きられよう 自分の存在しない地で
運命を呪うこともできない ほかの地で
どうして生きられよう 自分の存在しない地で
どんなに疲れても 報われない地で
生きられるはずがない
雪の中に日差しがなく 日差しの中にも雪がない地で
私のまなざしのしみ込んだ 石ころや小川や畑の中から
私を見つめる子供時代は ほかの地にはない
どうして生きられよう 自分の存在しない地で
この世に私が存在しないと お前が聞いたとしても
お前の最後の望みを 風がさらっていっても
何があろうとも 私は戻る
お前の歌が孤独に涙したとき
この世に私が存在しないと お前が思い込んでも
お前の想像の中に私が葬られても
お前の記憶の中から 私が消し去られても
それでも私は戻る
お前は妙な痛みのために 突然ひるんでしまう
手を握り合ってお前の致命的な罪を 涙で洗い流そう
悲しみにやつれ果てた
お前の顔に浮かぶほほえみになるため
墓から戻ってくる
私は遥かかなたの惑星から戻る
そしてお前の部屋の敷居に 銀河の星屑をまき散らす |