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  ホワイトノイズ  by 真魚

 失恋した時、聴く曲は?
 なんて、ワタシにはわからない。

 人の目には、見えないだけで
 無数のキラキラした
 残酷な破片が
 心を赤色に染めてしまって
 息すら上手く出来ないというのに

 ただ、
 ただ、
 途方に暮れては
 眼球は何かを見ているけれど
 それが何かさえ、わからない・・

 そして、心底泣きたいと願っても
 涙さえも上手く流すことも出来ない。

 本当に悲しいとき、
 人は泣けなくなる。

 泣けたら、少しは楽になれる、と知っているから
 散々願ってみても
 身体と心が底の見えない暗闇に
 堕ちて、朽ちてゆくのを
 必死で救おうとしている時に、

 CDラックから、失恋ソングを取り出して
 その曲や詩に浸れる余裕があるなんて・・

 そんな体力、
 もう、どこにも残ってないよ・・

 聴こえてくるのは「曲」じゃなくって
 無感情で
 無機質な

 "ホワイトノイズ"・・


Poem by Mao
Art by triumph
BGM by TAM Music Factory "アツィルトの森”
Site Arranged by Habane

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

真魚詩集
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