月光浴 by 真魚
月の夜だった ワタシは耳を拾った サラサラとした砂の上に 大きさのちがう 足あとがふたつ、 どこまでも どこまでも 続くように感じた
両手には柔らかな殻 何よりも大切だから なくさぬようにと・・
大切にしすぎた 柔らかな殻は 手の中で粉々になり 指の隙間から サラサラとした 砂になって こぼれ堕ち 消えた