<<INDEX | <PREVNEXT>



  雑草花(歌)  by 真魚

 社会の歯車となり
 あくせくと足を速め歩いていると
 可憐な中にも凛とした強さを持つ
 道路際に咲く花に目を止めることは出来ない

 その花は花屋では売られてはいない
 なぜなら、その花は決して魂を売らないから

 それでも華美に売られる花よりも
 崇高に気高く
 かといって奢ることもなく
 清楚で、可憐で
 ただ、ただ、深い愛を持つ

 どれだけの排気ガスを吸い続けても
 ありのままの姿で
 強く、強くそこに咲く

 それはその花の持つ誇り

 地位や名誉など、そんなものは取るに足らぬと
 その花は愚かな私達に語りかけるだろう

 そして、己が強くあれば
 それが誇りとなることを
 その深き愛の旋律で
 その花は私達がその愚かさに気付くよう
 毎日歌いかけている

 心に余裕が無ければ
 その旋律を聴くことは出来ぬだろう

 一歩、足を止め
 道路際の花の歌に耳を澄まそう

 そして2歩目を踏み出したとき
 世界は違った色彩を帯びていることだろう

 名も無き花が
 名も無き花こそが
 奏でられる
「当たり前を失った私達」への
 歌に耳を澄まそう

 そして、その歌が
 大地と果てしない宇宙(そら)の真理であることに
 気付く幸運を祈ろう

 さぁ、立ち止まり耳を澄まそう
 名も無き賢者の言葉に
 名も無き賢者の歌に

 


Poem by Mao
BGM by Blue Piano Man "Tuesday Dreamer”
Site Arranged by Habane

 

真魚詩集
 Copyright(C) Mao&Habane. All Rights Reserved.