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   いわきより  by まめしば

 今 頭の真上を ヘリが飛んでいった
 真っすぐ向かう その先は 福島原発

 揺れて 揺れて 揺れて

 家の脇を流れる川が
 嵐の日みたいにふくれあがり
 いっきに引いていったのを 見たよ

 車で高台の中学校に逃げたけど
 少し離れた海沿いの集落で
 たくさんの家が流された

 ふつうの一日が その瞬間
 悲しみの日になった

 残った私たちが 
 最初に立ち上がろうとした時
 目に見えない雲が 
 どんどん広がって行ったんだね

 それでも 生きるんだよ

 水を貰いに列を作って
 食べ物を買いに列を作って

 まだ私たちは頑張れる

 本当の悲しみ背負ってしまった人たちを思って
 こうしていることさえ感謝だと思って

 買い物の先で出会った一期一会の人たち
 ひと束の野菜を分け合って
 冗談を言いながら今の元気を分け合う

 みんな みんな がんばろうね

 携帯のメール なつかしい友達の声
「大丈夫だった?」 自分のことみたいに 
「大丈夫だよ、元気!」その元気はあなたにに貰った
 ふだんよりずっと そばに居てくれるね

 今日もまた 煙があがり
 今日もまた 余震が続く
 その只中で命をかけて戦っている人たち

 絞っても飲めない牛乳  
 耕作(つく)っても食べれない野菜

 ひとつひとつの現実を
 恐がらないでうけとめて

 どうにかして 生きていこう
 どうにかして乗り越えよう

 私たちにはまだ 空の青さが見えているもの

「みんーんな幸せになりますように・・」
 福島でがんばる友のメールの一行。

 みんな みんな がんばろうね 
 みんな みんな がんばろうね

 


Poem by まめしば
BGMby 花鳥風月 "FANTASTIC COLOR"
Site Arranged by Habane


まめしばまめしば
 この詩のメール
 勇気を出して送りました。
 あまりに現実が重すぎて
 言葉にするのが怖いです
 いっこの言葉を話したら
 じっこの「本当」を置き去りにしそうで。
 でも 前をむこうね、
 今日よりきっと 明日はいい日だから。

その33

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