Field Dessin“闇の中の黒い馬” ~被災地南相馬で出会った言葉と写真~
PART 3
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PART 3 「神様

「そこの鉄塔の場所は東北電力浪江・小高原発の立地予定地だったけど、『絶対に土地は渡さない』って最後までごねた反対派の人がひとりいた。原発反対派は震災前はいろいろあったが、今となっては「神様」だ。(浪江町住民)」

2013年3月28日、東北電力は「福島原発事故の影響で、地元の反発が強く、建設への理解が得られない」と判断し、浪江・小高原子力発電所建設計画を正式に断念した。日本各地で再稼働の動きが激しいがこういうことは「実感」がともわないと分からない。

「神様」がいても今もなお浪江・小高の住民の心は引き裂かれたままだ。そんな目にあってなお「今となっては神様だ」というのは、これ以上のことが想像できるからだろう。実感から生まれる言葉は強い。


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