PART
10 「野生」
原町の在で育った祖父母がよく言っていた。
「昔はこの辺でも雉やヤマドリ、狸やイノシシいたんだどはぁ、ウナギをよく捕ってくった。今はドジョーもいねー」
いま、浪江に入ると雉、鷺の鳥類をよく目にする。動物たちが増えている。生態系が戻っているとは思わないが、野生が目覚めている。皮肉にも原発に近づけば近づくほど・・。
ぼくはバブル日本の生活や住環境がベストとは思わないし豊かだとも思わない。昭和初めの祖父母の時代の生活環境のほうが「自然」と折り合いをつけながら、対話しながら豊かに暮らしていたと思う。
(写真:2013.6.14) |