PART
8 「地層」
南相馬市西部の山を掘削し、表出した1億5000万年前の地層。
この地層を見つめることは、太古の海の広く深い記憶をたどるような不思議な気持ちだ。
本来水平に堆積していくべき地表は、地盤のうねりとともに湾曲している。美しいうねり。
この地に立つということは1億5000万年の記憶の上に立つということ。
私たちは「今」という地点に立っているように錯覚しているが、確実に「過去」の上に立っているということを実感した。
一人の人間が生きる時間はこの地表の時間軸からすると遥かに儚い。あまりにも儚い。
(写真:2013.6.14) |