Field Dessin“闇の中の黒い馬” ~被災地南相馬で出会った言葉と写真~
PART 2
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PART 2 「蘖(ひこばえ)

「復興・再生」と言う言葉が未だになじまない。「復興」にはどうしても「戦後日本の経済成長による復興」というイメージがまとわりつく。「復興」というワードには都市の思考がうかがえる。ここは東北であり、現代は少子高齢化であり、日本の人口が10数年前より減少している経済社会という現状を踏まえてみても以前の「復興」という言葉はなじまない。「再生」はどうしても、リモコンのリピート というイメージが強い。(元に戻し再び同じことを繰り返すというイメージ)単に言葉のイメージの問題なのだが。まず 繰り返してはいけないのだ。以前より「営み」の中で知恵を働かさなければ ならないのだ。しっくりする「言葉」はないのかと、鹿島町の知人(神主さん)に話すと、「それは蘖(ヒコバエ)、蘖だな」といわれた。朽ちた切り株に若葉が芽生え、朽ちた木は自ら若木の養分となり次世代に自らの意志をつなげる、命を繋げる。漢字は<草冠に自らが辛い木>と書く。今の私たちにその覚悟はあるか?「日本の未来」を原発が止まると1970年代の暮らしに戻ってしまう、だから・・と言う人もいる。私たちが今の生活に知恵を働かせ、蘖(ひこばえ)になる覚悟があるかが問題だ。

※写真:23/5/11南相馬市鹿島区神社にある「蘖」。神主さんに。


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