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#065 「ガレキから我歴へ」

今日展示室へ入ると3人の観覧者がゆっくりと展示資料を見ていました。御高齢の女性と2人の男女。「展示資料の解説をさせていただけますか?」と声を掛けると、「よろしくお願いします。」と言っていただけたので解説に入った。お話を伺うと郡山から来たそうで、昨日TVを見て「自分のこの目で見なければ…」と会津まで来たそうです。80…5…6の方かな?と思っていたおばあさまは、聞くところ今年104歳だそうで、「この展覧会を見たい、自分の目で見なければ…」と駆けつけてくれたそう。ひとつひとつの資料の説明に対して感想を含めこの震災へのご本人の想いをお話ししてくれました。なんと僕の1時間にわたる解説をしっかりひとつひとつ受け止めてくれた。もちろん…自分で歩いて…。気を使い声をかけると「大丈夫」といいながら…。その眼は資料をじっと見つめている。「知りたい、わかりたい」という思いは年齢ではない、ということです。

今回の展示で解説をしていて思うのですが、皆さんお話をよく聞いてくれて、自分の「その時」の想いを伝えてくれる。その思いを聞くたび、私のほうがかえって…勉強になる事が多い…。私の言葉は観覧者の方々の想いに比べると…まだまだ…伝え方が足りないと思ったりします。

金澤、明日も出ます。

(2016.3.12掲載)

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