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 NO-300 UENO STATION
毒舌亭Presents
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【日々回顧館だより】#025
 兼【昭和 listen】#165 UENO STATION

 高校への全入運動がほぼ定着した今では見られませんが、その昔、「金の卵」と呼ばれた、農村から都市部への大量の中卒者による大規模な就職運動を指す「集団就職」という社会現象がありました。

 ドイツでは、今でも似たような「金の卵」に近い雇用形態が根付いているといいます。

 私の中学の同級生は、ほぼ高校に入ったので集団就職というほどの数ではありませんが、何人かの同級生が就職のため汽車で東京に向かうのを見送った記憶があります。

 そのときの「鈍行汽車」の終点は上野駅でした。

 東京には数百回行っていると思いますが、昭和57年に大宮駅=盛岡駅間で開業した東北新幹線が昭和60年に大宮=上野間まで延伸となり(それまで大宮=上野リレー号という電車が走った)、平成3年に上野=東京間が延伸開業するまで、片田舎に住む私(だけでなく、東北・新潟方面の人は皆)にとって、東京の駅とは東京駅でなく上野駅でした。

 盛んに動き回る雑多な人々、改札口上部に掲げられた行先・時刻が書かれた大きな案内板、ばか高くでかいエントランス・ホール、複雑な構内迷路、広小路口に面するアメ横・・・今は懐かしいアナログな思い出です。

 新幹線が東京駅始発となってからの上野界隈の地盤沈下が激しいのは寂しい限りです。

 昭和 listen通算165曲目は、その上野駅で見かけた集団就職の少年たちを題材に扱った井沢八郎(彼自身も青森出身)の「あゝ上野駅」。

 前回の東京オリンピックが開催された昭和39年の曲です。

 上野駅広小路口前のガード下に「あゝ上野駅」の歌碑が建立されています。

 井沢は平成19年に食道癌で物故、娘の工藤夕貴は歌手(同期に斉藤由貴、中山美穂、本田美奈子ら)の後ハリウッドに渡り、女優として成功しました。

 少し長いですが、今は亡き森光子さんの曲紹介と共に昭和の名曲をライブ動画でご堪能あれ。

 ♬ あゝ上野駅 / 井沢八郎
  https://www.youtube.com/watch?v=2FIz5_C-K2Y&t=244s

毒舌亭(2021.8.11up)


♬ あゝ上野駅 / 井沢八郎

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