【日々回顧館だより】#010~もうすぐWhite Houseの主が変わる
あの「9.11」の直前、私はワシントンD.C.にいた。
国務省本館の厳重なセキュリティ・チェックを通り抜け、Al Gore(アル・ゴア副大統領, 1948-)やMadeleine Albright(マデレーン・オルブライト国務長官, 1937-)のバカでかい写真があちらこちらに飾られた職員執務室を通って領事部幹部とのディスカッションに臨んだ。
終えた後、National Mall(ナショナル・モール)に向かい、Lincoln Memorial(リンカーン記念堂)で大きなリンカーン大統領像を眺め、Washington Monument(ワシントン記念塔)の前に立った。
その40年近く前にまさにここで、人種差別撤廃を求めるMarch on Washington for Jobs and Freedom(ワシントン大行進)が20万人の参加で行われ、その行進の最中に、キング牧師の有名な演説「I Have a Dream」が行われた。
そしてそこで、Bob Dylan(ボブ・ディラン, 1941-)が「Blowin' in the Wind(風に吹かれて)」、「Only a Pawn in Their Game (しがない歩兵)」「When the Ship Comes In(船が入ってくるとき)」を、Peter, Paul & Mary(ピーター・ポール&マリー)が「Blowin' in the Wind(風に吹かれて)と「If I Had a Hammer (The Hammer Song / 天使のハンマー)」を、Odetta(オデッタ, 1930-2008)が「Oh freedom(おお自由よ)」を、Mahalia Jackson(マヘリア・ジャクソン, 1911-1972)が「I've Been Buked and I've Been Scorned (私はなじられ軽蔑されてきた)」を、Joan Baez(ジョーン・バエズ, 1941-)が「We shall over come"(勝利の日まで)」を歌ったこと、Marlon Brando(マーロン・ブランド, 1924-2004)、Malcolm X(マルコムX, 1925-1965)らが大行進に参加したこと、その上に今日のアメリカがあるんだなあとしみじみ感慨に耽(ふけ)ったことを思い出す。
このあとまもなく、Joe Biden(ジョー・バイデン, 1942-)が第46代大統領に就任する。
4年後の再出馬をほのめかしつつ、トランプとメラニアは就任式を拒否したまま、エアフォース・ワンでフロリダに去る。
ますます分断が深刻化し混乱の坩堝(るつぼ)と化した米国社会をバイデンは果たして立て直すことができるのだろうか?
♬ Oh freedom trilogy / Odetta
https://youtu.be/KGhZuw8AXEc
毒舌亭(2021.1.20up) |