【常緑音楽館便り】#1327〜1328 とうもろこし
最近は、皆同じような顔で見分けがつかないジャリ・タレレベルのグループの音楽が多くて(それはそれで求める人がいる以上認めるしかないが)、大人の音楽がほとんど聴けないのは淋しい現状というほかない。
Evergreen Music通算1327~1328曲目は、そんな大人の音楽のひとつアルゼンチン・タンゴから「エル・チョクロ」を。
ヨーロッパや日本で最初に知られたタンゴの古典的名曲で、Ángel Villoldo(アンヘル・ビジョルド, 1861-1919)が1903年に作曲した。タイトルの意味は「とうもろこし」だ。
首都ブエノス・アイレスに19世紀半ば以来急増したイタリア系移民による,スペイン系とはひと味異なった音楽性が影響しているといわれる。
アメリカでは1952年に英語の歌詞がつけられ、「Kiss of Fire(キッス・オブ・ファイア)」名でLouis Armstrong(ルイ・アームストロング, 1901-1971)やGeorgia Gibbs(ジョージア・ギブス, 1918-2006)らがヒットさせた。
今日はこれを川井郁子のヴァイオリン演奏とルイ・アームストロングのヴォーカル・トランペット演奏で。
川井郁子は東京芸大大学院卒で大阪芸術大学芸術学部教授のヴァイオリニスト・作曲家、現在52歳。
「Libertango(リベルタンゴ)」で有名なタンゴの革命児Astor Piazzolla(アストル・ピアソラ, 1921-1992)の影響を強く受けた人だ。今年、デビュー20周年となる。
川井郁子のあくまでも官能的な演奏と、懐かしきルイのダミ声をご堪能あれ。
♬ El Choclo(2020 Live)/川井 郁子
https://www.youtube.com/watch?v=T26DrMI2aaY
♬ Kiss of Fire(1955)/Louis Armstrong
https://www.youtube.com/watch?v=ZAMpxy1EAc8 毒舌亭(2020.9.2up) |