【常緑音楽館便り】♯1306〜 STAYHOMEだから聴く曲
「ホームステイ」でこれまで36人の外国人を受け入れてきた。多種多様な若者で毎年賑やかだった。
ところが、今話題になっているのは、逆の「ステイホーム」。ステイホームだと毎日が静まり返って気が滅入る。
仕方なくラジオを流していたら、由紀さおりの「アズナヴール 流しながら この手紙を 書いてます・・」で始まる「恋文」(1973)という歌が流れてきた。そうだ、こんな時はシャンソンを聴くに限る(突飛な展開だなあ)。
この曲は、1965年にThéâtre du Châtelet(シャトレ劇場)で上演されたオペレッタ「Monsieur Karnaval(ムッシュ・カルナヴァル)」の主題歌。
主演のGeorges Guetary(ジョルジュ・ゲッタリー, 1915-97)が歌って大ヒットしたが、日本では作曲者であるCharles Aznavour(シャルル・アズナヴール, 1924-2018)自身のレコーディングの方がよく知られている。
タイトルの「La Bohème(ラ・ボエーム)」とは、「自由気ままな(芸術家)生活」で、「Bohemian(ボヘミアン/放浪生活者)」と同義。この曲の主人公が、貧しかった画学生時代の思い出を歌っているというものだ。
アズナヴールは、ステージでは必ずハンカチを使い、身振り手振りで情景を巧みに描写してみせ、曲のドラマ性にいっそうの厚みを持たせているという。いかにもフレンチ・テイストだ。
なお、彼は2018年9月に「生誕94周年 特別記念 来日コンサート」を開いたが、わずか12日後、入浴中に心不全で急死。結果的にこれが最後のコンサートになってしまった。
Evergreen Music通算1306曲目。
♬ La Bohème(Live 1991)/Charles Aznavour
毒舌亭(2020.5.6up) |