【常緑音楽館だより】#1431〜枯葉舞い散る秋(とき)
Apple社現CEOのTim Cook(ティム・クック, 1960-)は、気まぐれトランプとの丁々発止に忙殺され、世界最大のテクノロジー企業となった会社を守ることにひたすら没頭中。
この9月にはアップルストア銀座店のリニューアル開業に併せて来日し、SONY社や我が娘の会社などを訪問したが、度々来日しているわけではないし、日本のテクノロジーに興味は示しても、日本文化に心を寄せているかけらも見当たらないようだ。
それに比べ、稀代のカリスマにして革命児だった先代CEOで共同創業者のSteve Jobs(スティーブ・ジョブズ,1955-2011)は、米カリフォルニア州ロスアルトス市にある「俳句禅堂」に通い、乙川弘文老師の教えを受け、禅に惹かれた仏教徒(曹洞宗)だった。
生前、多忙な合間を縫ってお忍びで家族と共に来日し、幾度となく龍安寺や西芳寺(苔寺)など京都の寺を訪れ、思索に耽ったという。
彼の見た京都の風景はどのようなもので、何を考えたのか、興味は尽きない。
今日は立冬。いよいよ冬。強風が吹き荒れ、我が家の庭のハナミズキやヤマボウシの葉も瞬時に散らされてしまった。
そんな秋(とき)にぴったりの、渋みの効いたシナトラの歌声が、今日のEvergreen Music通算1431曲目。
シナトラが表現する侘び寂び(わびさび)の世界を、ジョブズだったら理解できるだろうが、ティムには恐らく理解できないだろう。
♬ Autumn Leaves(枯葉, 1957) / Frank Sinatra
毒舌亭(2025.11.12up)
    
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