【昭和 listen】#282〜So sad and unbearable~悲しくてやりきれない(昭和43年)
昭和43年、オリコン史上初のミリオンヒットになった奇天烈な曲『帰って来たヨッパライ』。
これを歌ったザ・フォーク・クルセダーズ(フォークル)は、これに続く第二弾として『イムジン河(原語:림진강)』を売りだそうとしたが、発売元の東芝音楽工業により、発表前日に、「政治的配慮」から発売中止が唐突に決定された。
数年前に放映されたNHKの『アナザー・ストーリーズ』によると、朝鮮総連から歌詞の表現上の問題で抗議を受けたため、発売中止となったと報じていた。
この騒動後、フォークルがそれに代わる曲として同年に急遽制作したのが『悲しくてやりきれない』。作詞はサトウハチロー、作曲は加藤和彦。
加藤はたった3時間でこの曲を作り上げたという。短時間で作られたにしては、シンプルでなかなかいい曲である。
映画『パッチギ!』や『シコふんじゃった。』、NHK朝ドラ『てるてる家族』などで使用された。
フォークルの中心的メンバー3人のうち、加藤和彦は平成21年に自死(享年62歳)、はしだのりひこは平成29年にパーキンソン病のため死去(享年72歳)し、北山修のみが存命している(現在白鷗大学学長、九州大学名誉教授、78歳)。
なお、私も仕事柄、韓国系の在日組織「民団(在日本大韓民国民団)」、北朝鮮系の在日組織「朝鮮総連」の双方と接点があった。
こちら側としては、私心的にも業務倫理上も分け隔ての気持ちは全く持っていなかったのだが、比較的友好的な民団に比べ、態度が堅い総連には結構難儀した覚えがある。
昭和 listen通算282曲目。
♬ 悲しくてやりきれない / ザ・フォーク・クルセダーズ
毒舌亭(2025.4.23up)
    
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