【常緑音楽館だより】#1387〜アストラッド・ジルベルト逝く
ボサノヴァの女王 Astrud Gilberto(アストラッド・ジルベルト, 1940-2023)さんが死去。享年83歳、R.I.P.
ブラジル・リオの生まれだが、23歳の頃に渡米。特に母国で人気があったわけでもなく、渡米後に夫のJoão Gilberto(ジョアン・ジルベルト, 1931-2019)やStan Getz(スタン・ゲッツ, 1927-1991)、Antônio Carlos Jobim(アントニオ・カルロス・ジョビン / トム・ジョビン, 1927-1994)らと組んで吹き込んだのが「The Girl From Ipanema(イパネマの娘 / 1964)」。
私が初めてこの曲を聴いたのは高校生の頃だったと思う。声だけ大人になった少女がのっぺらぼうに唄うようなこの曲のどこがいいんだろうというのがファースト・インプレッションだったが、あにはからんや、あれよあれよという間に世界中で大ヒットした。1965年のグラミー賞「Record of the Year」にも選ばれた。
その後は多くのアーティストにカバーされ、単なるボサノバの範疇に収まりきらないスタンダード・ジャズとして昇華し,今や名曲中の名曲となった。私の「iTunes Library」には74組のアーティストによるバージョンが収納されている。
さて今日のEvergreen Musicだが、「イパネマの娘」は何年か前に紹介済みなので、代わりにこちらの曲を。同じくトム・ジョビンの曲で、1961年のフランソワ・トリュフォー監督によるイタリア映画『La Nuit américaine(アメリカの夜)』のテーマ曲にもなった。
セルジオ・メンデス&ブラジル'66 や小野リサ、シナトラらのカバー・バージョンも有名。
♬ Agua De Beber(おいしい水 / アガ・ジ・ベベール)/ Astrud Gilberto, Stan Getz, Joao Gilberto & Antonio Carlos Jobim
https://www.youtube.com/watch?v=qZx-Z3_n4t8
毒舌亭(2023.6.14up) |