【常緑名画座だより】#059 兼
【常緑音楽館だより】#1363 〜2つの「遙かなる山の呼び声」
先ほど、BSテレ東で山田洋次監督作品で高倉健主演の「遙かなる山の呼び声」(昭和55年)を久しぶりに観た。
第1回日本アカデミー賞作品賞に輝く『幸福の黄色いハンカチ』(昭和52年)に続き、健さん、倍賞千恵子、武田鉄矢が共演、吉岡秀隆、ハナ肇が加わった上、なんと渥美清が人工授精師役で友情出演している。いかにも山田監督らしい配役だ。特にハナ肇がいい演技をしている。
この映画のタイトルはあの「Shane(邦題:シェーン)」のテーマ曲「The Call of the Faraway Hill(邦題:遙かなる山の呼び声)から着想を得て付けられている。
また、『幸福の黄色いハンカチ』のタイトルは、Tony Orlando & Dawn(トニー・オーランド&ドーン)の「Tie a Yellow Ribbon Round the Ole Oak Tree(邦題:幸せの黄色いリボン, 1973)を倍賞千恵子が唄っていたのを山田監督が聴き付けて着想を得たと言うから、どこに何が転がっているのか分からないものだ。
写真は、傷害致死事件の被告として2年以上4年以下の刑が確定した健さんが急行列車で網走刑務所へ護送される際の車中で、護送刑事が駅弁を食べるシーンから。車窓の棚にお茶の瓶が3個置かれている。
そういえば、昔駅弁を買うときには必ず、こんな暖められたお茶の入った瓶(「ポリ茶瓶」というそうだ。蓋がコップ役を果たしている)を同時購入していたなあ。実に懐かしい。今でもどこかの駅で売られているのだろうか?
なお、同じ車中の倍賞千恵子が健さんにこの後ハンカチを渡すのだが、その色が黄色というのだから、念が入っている。
♬ The call of the far away hills(遙かなる山の呼び声) / Victor Young Orchestra
https://www.youtube.com/watch?v=_s18nObbVoo
毒舌亭(2022.2.9up) |