【映画賞の蘊蓄（ウンチク）】 ドライブ・マイ・カー

　村上春樹原作、濱口竜介監督、西島秀俊主演作品の『ドライブ・マイ・カー』の快進撃が止まらない。

　今日までの受賞状況は、時系列で次の通り。

◉ 第74回仏カンヌ国際映画祭（Festival International du Film de Cannes）（2021.7.17）
・脚本賞（Prix du scenario）
・国際映画批評家連盟賞（FIPRESCI賞 / Prix FIPRESCI du Festival de Cannes）
・AFCAE賞（詳細不明）
・エキュメニカル審査員賞（Prix du jury œcuménique）

◉ 第56回全米批評家協会賞（U.S. National Society of Film Critics（NSFC）Awards）（2021.11.8）
・作品賞（Best Picture）
・監督賞（Best Director）
・脚本賞（Best Screenplay）
・主演男優賞（Best Actor）

◉ 第47回ＬＡ（ロサンジェルス）批評家協会賞（Los Angeles Film Critics Association（LAFCA）Awards）（2021.11.18）
・作品賞（Best Film）
・脚本賞（Best Screenplay）

◉ 第87回ニューヨーク映画批評家協会賞（New York Film Critics Circle（NYFCC）Awards）（2021.12.3）
・作品賞（Best Film）

◉ 第34回シカゴ映画批評家協会賞（The Chicago Film Critics Association（CFCA）Awards）
・外国語映画賞（Best Foreign Language Film）

◉ 第31回米ゴッサム・インディペンデント映画賞（Gotham Independent Film Award）（2021.11.29）
・最優秀国際映画賞（Best International Feature）

◉ 第20回米コロンバス映画批評家協会賞（Columbus Film Critics Association（COFCA）Awards）　(2022.1.6）
・外国語映画賞（Best Foreign Language Film）

◉ 第20回米サンフランシスコ・ベイエリア映画批評家協会賞（The San Francisco Bay Area Film Critics Circle （SFBAFCC）Awards）（2022.1.9）
・外国語映画賞（Best International Feature Film）

◉ 第79回米ゴールデングローブ賞（Golden Globe Awards）　（2022.1.9）
・非英語映画賞（作品賞 - 非英語作品）（旧外国語映画賞）（Best Picture – Non-English Language（formerly Best Picture – Foreign Language））

◉ 第27回米・加放送映画批評家協会賞（Broadcast Film Critics Association（BFCA）Awards）（2022.1.9 開催済され、外国語映画賞（Best Foreign Language Film）にノミネート済みだが、正式結果は未発表）
・外国語映画賞（Best Foreign Language Film）ノミネート

　また、韓国では、昨年12月23日の公開以来10日間、「独立・芸術映画ボックスオフィス」で第１位を維持し、3万人の観客が詰めかけているという。

　アカデミー賞の前哨戦として、①PGA Award（全米製作者組合賞）　②放送映画批評家協会賞 　③シカゴ映画批評家協会賞 の３つが挙げられる。

　この3つの前哨戦で全勝し作品賞を逃した例はなく（昨年度の『Nomadland（ノマドランド）』は３つとも作品賞を受賞）、一つも獲らずに作品賞を獲得した例もない。

　また、ゴールデン・グローブ賞もこれらに次ぐアカデミー賞の前哨戦といわれ、アカデミー賞作品賞とダブル受賞も少なからずあるから、今回、ゴールデン・グローブ賞非英語映画賞を受賞した事は大いに期待される。

　果たして『ドライブ・マイ・カー』は、アカデミー賞作品賞（Best Motion Picture of the Year）若しくは国際長編映画賞（Best International Feature Film / 旧外国語映画賞）を受賞できるだろうか？

　第94回アカデミー賞授賞式は2022年3月27日（日）にLAで開催される予定。

　但し、全米における新型コロナウイルス（オミクロン）感染急拡大で、果たして予定どおり開催できるのか懸念される。

　以上、映画賞の蘊蓄の一片をひとくさりご紹介しました。それでは、お後がよろしいようで、この辺でごめんください。

　🎥 ドライブ・マイ・カー予告編

毒舌亭（2022.1.19up）