【まもなく始まるよ】
戦後の混乱期に不良少年になり、上野近辺の闇市に出入りしながらテキ屋の生態をつぶさに観察していた渥美清こと田所康雄さん。
その経験を生かして撮られたのが全26話のテレビドラマ「男はつらいよ」(1968-1969)。
ところが、演出の山田洋次さんが奄美大島でハブに噛まれたとして寅さんを死なせてしまったものだから、視聴者から大抗議が殺到(わずかに現存している第1話と最終話の動画を持っているので、これは確認した)。
困った山田さんは映画という場で寅さんを生き返らせたら、これが第1作「男はつらいよ」、第2作「続・男はつらいよ」と大ヒット。
第3作(男はつらいよ フーテンの寅 / 森崎東監督)、第4作(新・男はつらいよ / 小林俊一監督)のあと、これで最後と第5作「男はつらいよ 望郷篇」を世に出した。
この映画の中で発するテキ屋の寅さんの口上が小気味よい。
〈四谷、赤坂、麹町、チャラチャラ流れる御茶ノ水、粋な姐ちゃん立ちションベン。白く咲いたが百合の花、四角四面は豆腐屋の娘、色は白いが水くさい。〉
これでまたまた空前のヒットとなり、男はつらいよシリーズはいよいよ国民的映画として止められなくなり、ギネス世界記録として認められるほどに定着した。渥美清と寅さんは限りなく一体化した。
その寅さんの第5作「男はつらいよ 望郷篇」はこのあと18時30分からBSテレ東で放送される(4Kデジタル修復版なので画面が綺麗)。
マドンナはテレビ版(さくら役)に続く長山藍子。
🎥 男はつらいよ 望郷篇(4Kデジタル修復版)予告編
https://www.youtube.com/watch?v=T1vdNKfYEyA
毒舌亭(2021.11.10up) |