ワイヤー・スカルプチャーとも言う。
今回の最初は、まずこの写真。
美しい線画ですね。
でも何か違和感があるような・・?
お次は、この写真。
「別れの寂しさ」 と名付けられた作品。
シンプルな線画の美しさもそうですが、いずれも背景の色合いが渋い色調となっているところが僕のお気に入りです。
同じ作家で、今度はちょっと色っぽい作品を二つ。「朝のポーズ」
次は屋外で制作された作品。
あれあれ・・扉に書いちゃってるよ。
ってゆーか、下にある枕木のようなのはいったい何なんだ?
なんかおかしい。ということで近づいてみると・・・
をわっ!? 針金ではありませんか。
それにしても細かいところまでよく表現したものだ。
なので、こんな作品も・・・
斜めから見るとこんなふうに。
おぅ・・確かに針金だわ。
これらの作品を制作したのは、アフリカはジンバブエ出身のワイヤー・アーティスト、ギャビン・ワース氏。
若い時分、ミケランジェロの「レダの頭部」を見てインスピレーションを得、生涯の目標を見出して独学でこの道に入ったとのこと。
確かによく見てみれば、上の右側の人物の表情と「レダ」は似ているような気もいたします。
ミケランジェロ『レダの頭部』
彼はもともとカリフォルニアで俳優やミュージシャンとして活動したり、サンタフェ・オペラのセット・デザイナーを務めたりと多彩な経歴の持ち主でした。
現在は、カイロのインターナショナル・アメリカン・スクールで教鞭を取っているとのこと。本当に才能に溢れた人物なのですね。
もう一人、別のワイヤー・アーティスト、ポルトガルはリスボン生まれの彫刻家デヴィッド・オリベイラさんの作品。(※右背景も同氏の作品)⇒
をををを~!!これはまた細かい。
もし椅子が無ければ、クロッキーとしか見えないタッチ。
針金を空間で折り曲げるだけで、まるでインク・スケッチのような味わいのある造形を行っていく・・こんな不思議な世界もあるのですね。
針金で・・
制作はこんなふうにして行われています。↓
オリベイラさんの作品をもう一つ。
今度は、絵画にモチーフをとった作品。
はい、『まめしばのイタリア紀行』にも出てまいりましたヴァチカンのサン・ピエトロ大聖堂の『ピエタ』(ミケランジェロ作)ですね。
ミケランジェロのピエタ
こんな繊細な造形を針金だけで再現するとは驚きの極み。
でも、最初のワースさんとオリベイラさんの二人ともがミケランジェロに心酔しているという不思議な共通点。
もう一つオリベイラさんのダイナミックな作品。
飛び込んでいる水泳の選手。
身体の内部が透けて、背骨や肋骨まで表現されています。
今にも水しぶきが上がりそうな動きのある作品です。
真横から見るとこんなふう↓
さらに、ぐぐ~っと視点を引いてみると、こんなふうになっている・・。
をを~ 巨大な手!!
この「陰影」まで針金だけで表現してしまうところが、何とも凄い。
もう一つ、オリベイラさんの作品で僕が最も好きな作品。
朝の食卓を表したもの・・だと思うんですが。
で、こちらはYouTubeにあるギャラリーの様子や制作風景でございます。
うん、いずれも感動的。
さて、最後の一枚は、中国のShi Jindian氏によるワイヤー・アート作品。
超高精細!! ファンタスティック! ・・でございます。
《配信:2015.11.23》
葉羽 いろいろな現代アートがあるものですね。 |