山手線からの景色の見え方が変わります。
国土地理院では『電子国土Web』として、日本全国のデジタル地図を提供しています。
ほら、こんなやつ・・
じつはコレ、地図の「陰影起伏」を変更出来たり、雪崩関連の傾斜量区分を重ねて表示したり、挙句は「自分で作る色別標高図」という機能まであるスグレモノ。
なお、地図の中心に「+」が表示されるのは「仕様」です。
そこで、我が国の首都がある関東地方ににパンして行くと・・
ふむ。関東平野は我が国最大の「平野」であることが認識できます。北海道だって、こんなに広範囲の平野はありません。
そして、濃い水色で示されたのが「海抜0メートル地帯」。この範囲で見ると、名古屋あたりの濃尾平野や新潟の越後平野は結構デンジャラスである事が分かる。
しかし、さらに「東京」を中心にパンして行くと・・
うわぁ、東京湾沿岸部から東側には、かなりの広さで「0メートル地帯」が広がっていました。
ちなみに薄い水色は「海抜10メートル以下」の地域で、埼玉や茨城の山手の方まで「低地」である事が分かります。
ま、それもその筈、かつて温暖化が最も進んだ「縄文海進」の時代には、関東地方は「海の底」でしたからね。
なので、かつて僕が担当していた「遺跡調査」でも、東京都の遺跡は奥多摩の方にしか出土しない理由に合点がいったものです。
そうそう・・「縄文海進」時代の関東地方はこんなでした・・
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縄文海進時代の関東地方 |
コレで見ると、海との境界線は埼玉どころか栃木県の南部まで到達していたことが分かります。
さて、さらに東京都中心部にパンして行きます・・
地図の中心(+印)を新宿区の中央に持ってきました。
これを見て気付くのは、東京都の中心部(山手線の内側)は結構アップダウンが激しいという事。
では、さらにパン・・
渋谷は「谷底」にあった事が分かります。
それが判れば、地下鉄銀座線や丸の内線の渋谷駅ホームがが地上三階にある事が理解できます。
という事で、本日最後の画像。
Xユーザーである「地理Bの旅」氏が作成したもので、こうした東京・高低差地図に山手線の駅を重ねたらどうなるか・・という地図♪
ををを~ 東京が「坂の街」であることが一目瞭然!!
東側にある駅は、この台地の縁に沿って造られたのですね。そして新宿・副都心は比較的高くて頑丈な大地の上に建設されたことも分かります。
これを見たXユーザーの感想が以下。
◆カンピロバスターさん・・・なるほど江戸時代は目黒でサンマが取れたわけだ。 |
◆Betelgeuseさん・・・昔は平坦なところだけ東京だった。その後都市が西に発展して、やたら横長な東京都になった。昭和では、23区以外は「東京都下」って言ってた。明治には「本郷も兼康までが江戸の内」って言って、本郷三丁目から先は江戸じゃないって言ってたし。 |
◆バベルの塔の狸さん・・・荒川が決壊したら23区が三分の一は浸水するって都市伝説もまんざらでないんですね… |
◆HY GXさん・・・皇居の西、三宅坂登ると青山坂を下ると四ツ谷、渋谷と谷。 青山から南へ下る坂は赤坂。 地名通りですね。 |
◆蘇我のイルカさん・・・「渋谷」なんて谷底だから谷ですしね。 青山あたりは地下走ってるのに、その高さで渋谷に突き抜けると地上数メートル。 だから銀座線の駅は上の方にある。 |
◆カスマッシュさん・・・平野ではあるけど平坦ではないっていう関東平野あるあるトラップ |
◆ヒロアキさん・・・よくよく見たら山手線の形丸ではなくハートの形になってる |
最後のは「そこかいっ!」という感じですが、みんなこの地図を見て認識を新たにしたようです。
《配信:2024.10.15》
国土地理院サイト及び「地理Bの旅」さんのX投稿から編集。 |