私が映画館で3度観てDVDも持ち、テレビで放送されても観る。

 それは「ハウルの動く城」です。

 宮崎駿さんは、周りに居る人以外で敬愛する代表的な一人です。

 その宮崎作品は、私の人生にも大きく関わっていて、一番深い部分まで秘密を知った作品は「ナウシカ」のマンガでした。

 ただ「ナウシカ」については、又今度書かせていただくとして、テレビ放映した「ハウルの動く城」について、又新たにわかった事などを書かせてもらいたいと思います。

 宮崎作品が決定的に変わったと感じるのはその一つ前の作品「千と千尋の神隠し」からだと思っています。

 それまでは、「もののけ姫」など、いくら複雑と言われる作品でも、映画としてのエンタテイメント性と、メッセージは分かりやすいものが多かったと私は見ています。

 それだからこそ、感動や伝わる事もはっきりとしていました。

 それと一線を画す「千と千尋」からは語られぬ部分が増えた様に思います。

 そしてそれは「ハウル」で決定的な深みとなっていました。

 「ハウル」を初めて劇場で観た時、正直分かりませんでした。

 涙が出たシーンもあり、感動もした?かと思ったのですが、掴み切れない何かがあって、2度目に出版物などで色々調べてから劇場へ。

 細かなディテールやシーン、セリフの意味がわかると、圧倒的に感動しました。

 又同じシーンで涙。

 そしてまだわからない所も。

 3回観たのは、もう既にその時点で、宮崎作品の中で、最も愛する作品の一つだと知っていたからですが、3度目も感動して同じシーンで涙しました。

 その後もDVDで何度も観て感動し、そしてなぜか同じシーンで涙が出ました。

 そして今回テレビで久しぶりに観て…やはり引き込まれて感動して、同じく涙しました。

 今まで観て来た事と、今回観た事でやっとうすぼんやりとわかったのが、心を見失ってる人の何と多いことかと言うメッセージがあった様に思いました。

 しかしそれは失った訳じゃない眠ってるだけと言う。

 ハウルは流れ星の命を愛おしんで、自分の心臓を与え心を失った様になりましたが、そのハウルの心を見付けたのがソフィーだったのです。

 ソフィーはハウルを愛する様になり、ハウルがソフィーを守ろうと、家を守って闘うのを止めさせるため、逆にソフィーは城を壊して家を壊します。

 ここが今まではっきり理解できなかったのですが今回やっとわかりました。

 その上で又城もどきを動かしハウルの元に向かおうとします。

 その後、やはり命を思い、命への反応ためハウルの心臓に水をかけてしまい、泣き崩れるソフィーは、まだハウルとのつながりで、ハウルの過去に向かいます。

 そこで全てを知ります。

 ここが!!何度観ても涙が出るシーンなのですが、ソフィーが時間の穴に落ちて行きながら「私はソフィー!待ってて!未来で待ってて!!」と少年ハウルに叫ぶシーンが、どうしても自然と涙が出るのです。

 そののちハウルに心臓を戻す時、戻してからソフィーがキスをするのは、ソフィーの感謝の愛情が、素直に表せる様になった事を意味していたんだなあとわかりました。

 この作品は、言いたい事が多過ぎて複雑で端的でしかもその殆どはセリフで語られる事はありません。

 けれどテーマと言うよりメッセージと言うか語られぬ想いが詰まってる作品だけに、何度観ても引きつけられ感動して、理解したいと思うのです。

 まだまだわからない所も多いこの作品。

 なぜあのシーンで涙が出るのか、今だにわかりません。

 わからないけれど心に来るのです。

 宮崎駿さん曰く「世界の秘密」が込められ、その言葉で表せない感動と作品の気持ちが嬉しく、やはりこの時代に居て出会えて良かったと、まだまだ出会いたいと、飽きる事なく愛する作品です。

  Written by Akio (2008.10.31 up)

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ハウルの動く城

 

 

ハウルの動く城

 

 

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