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 #119 Tオーナーの憂鬱

「葉羽のコーヒーブレイク」からの移植です。

 このお話はフィクションです(真顔)。便宜上、「Tオーナー」を主人公とした話に編集してあります。そこんとこヨロシク!

 Tオーナーは夜間のコンビニ・バイトが辞めた穴埋めで働き詰め、久々の夕方オフで疲れを癒すべく軽く飲みに行ったそうな。

 ほろ酔い気分で最近新築した自宅へ帰り、WIIフィットでゴルフゲームでもしようかと準備したその刹那、深夜の電話がけたたましく鳴り響く…。

「ア~んだよ、こんな時簡に!しょうがないな、チッ…」

 と受話器を上げますと、声の主は店のA君…

(A君)「たっ、たいへんです、オーナー!」

「どうした、何かあったのか?」

「暴力事件です!B君が思い切り殴られて表でノビてます!」

「な、なにぃ!すぐに警察を呼ぶんだ!」

「いえ、もう警察が来て暴漢を取り押さえました。

 とにかく、すぐ来てください!」

「ええー! …すぐ行く、待ってろ!」

 (って、飲んじゃったし、タクシーかよ。トホホ…)

(ToT)  (ToT)  (ToT)  (ToT)  (ToT)

「どうしたんだ?何で殴られた?」

(B君)「あの…いや…その…」(オロオロ…)

「あの・そのじゃ分からん、しっかり話せ!」

「…オデンを褒めただけなんです」

「?? なんでオデンを褒めて殴られるんだ、んん?」

「あの…ヤクザみたい人が来て、

 “にぃちゃん、ここのオデンは旨いのか”って」

「いや、そりゃぁ、ウチのオデンは天下一品だろうが」

「そっ、そう言ったんですよ。サイコーっすよ!って」

「別に怒りを買う話でもないな?」

「でもイキナリ、“なんだその言い方は!

 貴様オレをなめてんのかー!”って」

「すぐ謝ったんだろ?」

「もちろんです。

 “スイマセン、スイマセン、スイマセン!”って」

「なのにどーして?」

「“なんだそのスイマセンは!やっぱりナメてんな?

 オレを誰だと思ってるんだー!”って」

「どう言った?」

「そう言うアンタは誰ですのって」

「あちゃー火に油だよ! …でも知らないよな?」

「そしたら“貴様、コレが見えねーのかっ!”って」

「コレって?」

「いきなりシャツを脱いだら、そこに桜吹雪が!」

「ええー!!!」(金さんだったのか…) ←(違っ!)

「オレもうビビっちゃって絶句したンすけど、

 髪の毛をわしづかみで外に引きずりだされたんス」

「ほんでタコ殴りか!?」(あらららら…)

(ToT)  (ToT)  (ToT)  (ToT)  (ToT)

何とかその場を収めたオーナー、B君を救急病院へ行かせると、幸いB君の怪我は全治二週間の軽症ということで、ホッと胸をなで下ろしたそうな。

 しかし、この暴漢はいったい何者?

 タトゥーがあるぐらいだから、まっとうな人では無いようだ。

 ただ「金さん」でないことは信じたい。

 まさか、「ヤ」の付く人!?

 それにしちゃ、やることがいかにも小物。

 「義」とか「侠」の道を重んずる“そのすじの人”とも思えない。

 ………そんな事件がありまして翌朝。

(ToT)  (ToT)  (ToT)  (ToT)  (ToT)

(M店長)「ねぇアナター、新聞に出てるわよ」

「なぬっ!」

「ほらココ」

「ナニナニ、コンビニ●●店で暴力事件…

 酒に酔ってコンビニに入店した男が夜勤の店員に暴力行為…

 犯人は通報によって駆けつけた●●署の警官によって、
 その場で取り押さえられ現行犯で逮捕…

 なお、殴られたB店員は全治二週間」

「ウチの店、ユーメイになっちゃったね」(えへっ)

「しかしなぁ…“ヤ”の付く人だったらそれこそヤだな…」

「そのあとにも何か書いてあるじゃん」

「あ、“犯人は●●歳”…なんだ、結構若い奴じゃん」

「で、名前がホラ…」

「うん。なんか聞いたことある名前だな。で職業はと…」

「職業は?どれどれ…」

「…………。」

「……………………。」

 

 

 

「塗装業。」

「自分で背中塗ったったんかい!」( ̄◇ ̄;)

(ToT)  (ToT)  (ToT)  (ToT)  (ToT)

         


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