“院内夢縫” 特別編2 「燕の歌」
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2月1日、ようやく病院から家内の全快が告げられました。
11月末に緊急入院してから2ヶ月余り・・・。
この上田敏の「燕の歌」は高校時代に
僕が曲を付けて歌っていたものです。(葉羽)

 


    燕の歌

  弥生(やよい)ついたち、はつ燕、
  海のあなたの静けき国の
  便(たより)もてきぬ、うれしき文(ふみ)を。
  春のはつ花、にほいを尋(と)むる。

  あゝ、よろこびのつばくらめ。
  黒と白との染分縞(そめわけじま)は
  春の心の舞姿。

  弥生来にけり、如月(きさらぎ)は
  もろともに、けふ去りぬ。
  栗鼠(りす)の毛衣(けごろも)脱ぎすてて、
  綾子(りんず)羽ぶたへ今様に、

  春の川瀬をかちわたり、
  しなだるゝ枝の葉わけて、
  舞ひつ、歌ひつ、足速(あしばや)の
  恋慕の人ぞむれ遊ぶ。

  岡に摘む花、菫ぐさ、
  草は香りぬ、君ゆゑに、
  素足の「春」の君ゆゑに。


    詩:ダンヌンチオ
    訳詩:上田 敏
    PHOTO:なっちヤン
    Arranged by 葉羽
     
MP3 by blue Piano Man ”November Girl”

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