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その12

上京劇場

 最近は上野を舞台に水撒きをしているが、当初は上野公園以外でも公演した。日比谷公園、代々木公園、表参道、皇居前広場、和田倉公園等である。

 英国の謎のストリートアーティスト、バンクシーのごとく神出鬼没あちこちに水を撒いて地球温暖化に一人立ち向かうドンキホーテのような妄想があった。

 皇居前では、やり初めて10分もしないうちに警官が飛んで来て職務質問を受けた。

 皇宮警察から連絡を受けて来たという。さすがガードが固い。遠くから警備の目を光らせているのである。

 天皇制はゆるぎない。日本は安泰だ。

 この場所での水撒き活動はできないという。

 無駄な抵抗はやめて余った水を水場まで行って捨てようとすると、この場で全部捨てろという。

 ためらいがあったが命令なので、ぶちまけた。

 別れぎわに警察官が「おじさん、まともじゃないですか」と言われた。どうやら精神異常者と思われたらしい。

 気を取り直して近くの和田倉公園にいった。

 ここは公園なので迷惑をかけなければ活動できるはずだが、制服を着た所員らしき人がいたので許可を求めた。

 定年まじかの環境省職員らしき人の返答は、だめとはいえないが余り目立たぬようにやってくれという。

 定年前にいらぬ波風をたててほしくないという役人根性が表情に伺える。気持ちはよくわかる。

 わかりましたと答えて始める。

 近くのパレスホテルの高層の部屋から見えるように大きく描いた。

 アリーチェックインの外国人客が見たならば日本は寛容で奥の深い文化の国だと思ったに違いない。

 表参道ではヒルズ前の歩道で水撒きをした。

 名古屋から来たという中学生グループが関心をしめしいろいろと描いてやる。

 ありがとうございましたと礼儀正しい。

 別れぎわに東京には変なおじさんがたくさんいるから気をつけなさいなどと自分のことは棚にあげて先生らしいことをいう。

 今日の班長会であのグループの班長は先生からきつく指導を受けるに違いない。

「そんな変な人と関わって、あとから金を要求されたらどうすんの。変な人がいっぱいいるって事前にあれほど注意したでしょ」と。

 表参道のFM放送のDJ兼ディレクターという女の方から、面白いから今度スタジオに来てほしいと名詞を渡される。

 ここで軽くついていってはバンクシーにならない。ドンキホーテらしくもない。孤高でなけらばならない。

 木枯らし紋次郎のように「通りすがりの者、あっしには関わりのないこと」と無視しなけばならない。

 一期一会が渡世人のお約束であるが未だに名詞は持っている。未練はないはずだ。ないと思う。ないいんじゃないかな。

 上京劇場は状況劇場だ。

 唐十郎は凄十郎なのか、マカら十郎なのか、だから十郎なのか。

 赤テント、黒テント、アングラ、昭和にご唱和願います。

 またもや言霊がとまらない。

 山本リンダも困ちゃう。うららうらら裏裏らー、狙い撃ち。

 狙い撃ちされ公園に死す。イマージンの曲が流れる。

 唱和にご昭和ねがいます。いまーじんじんしてきた。

 やはりてんぐ熱だ。

 (2014.10.20)アンブレラあつし

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