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その8

こんなかんじ

 水撒き活動のスタイルは右手に傘、左手にバケツ、背中にザックである。

 当初はザックは公園のベンチに置いて活動していたが今は常に背負っている。

 交番のおまわりさんに不審物として持ち去られてしまった事があり、大事なものは常時身につけておくようにと指導されたからだ。

 以前より貴重品は身につけて活動していた。

 ザックがない事に気がつき、やられたと思った。

 中身は着替えなどだった のであきらめたが、ダメもとで交番に届けたら、これかと見覚えのあるザックを出してきた。

 中身を自己申告し身分証証明の免許証を提示して返してもらった。

 無職の私は自分を証明するのは免許証しかない。

 幸いゴールドなので善良な市民 に見えたのか、いろいろ聞いてくる。

 水撒き活動のことを言うと余計に怪しくなり時間がかかりそうなので「観光目的」と答える。

 福島なので原発避難で東京にいるのですかと聞かれるが「観光目的」と答える。

 少しでも早く交番から出ないと活動時間が減る。

 交番から出てザックの中身を確かめたが、ひとつ困った事が発覚した。

 着替えのほかに私の漢字練習ノートがあった。

 その中には四字成語をもじった漢字が書かれていた。

 婦人公論(婦人口論)自給自足(時給不足)委細面談(委細面倒)四字熟語(四十熟女)年中無休(中年休み無し)などである。

 逆文字の練習用に考えた文字なのだ。

 交番の奥にいたおまわりさんが、私の方をにやにやしながら見ていた。

 公園で交番の前は目を合わせないように早足に素早く歩く。

 世間に迷惑をかけてはいけない。

 つつましく公園の片隅に咲く花のように 生きたい。

 うけをねらってはいけない。

 寺山習字などと毛筆してはならない。

 (2015.8.5)アンブレラあつし

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