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その90福島で生きていくということ6

by サオリサオリ
 

 サオリ福島から、福島の1主婦の現況を発信いたしたく、日記upします。

 12月10日 福島で生きていくということ 6

 2011年3月11日から、早や9ヶ月。
 自宅では地方紙を購読しているため、
 地元の情報は目にするものの、
 震災被害にあわれた他の県の情報には、うとくなっています。ごめんなさい。
 しかしながら、津波被害のなかった福島市でさえ、
 まだ地盤沈下の路面工事が進んでいないところがあったり、
 屋根にブルーシートがかかっている家があったり、
 まだ癒えぬ傷跡があちこちにあるのですから、
 津波被害があった地域は、まだまだ復興へ向けて
 進み始めたばかりなんだろう、と思っています。

 この日記を書くにあたり、ネットサーフィンしましたが、
 やはり、まだ瓦礫の山、山、山のようですね。
 特に津波被害をうけた地区は、
 津波防御対策が明確になっていないため、
 なかなか復興も進んでいないようです。

 私はといえば、正直、自分の生活で精一杯です。
「わすれない、311」を胸に生活しているつもりですが、
 放射線問題に振り回されている次第です。

■講演会

 色んな講演を聞きにいきました。
・現在の日本人は約30%ががんで死亡している。
・放射線が怖いのは、発ガンへの影響があるから。
・100mSV未満の放射線が、
 がんを引き起こすという科学的証拠はない。
・発ガン原因は他にもあり、ストレス、運動不足、
 野菜不足が発ガン原因となりえる。

 どの講演でも、だいたい上記のような内容になります。

 私は、どこかで安心を求めたいという気持ちから、
 色々な講演を聴きに行きましたが、
 聞いたからといって、安心を得られるわけではありません。
 しかしながら、これらの講演で聞いたことを教訓とし、
 家族で悩みながら、福島にいるのも確かです。
 常に「これでいいのか?」と悩みながらの生活、
 それが私にとっての、
 福島で生きていくということ、なのです。

■線量計の結果

 前日記で書いた、線量計。
 10月頃に結果がきました。
 というか、結果「だけ」きました。

線量計の結果
線量計の結果

 毎日の生活日誌、必死に書いたのに、
 きたのはコレだけ。
 通知文には、「健康に影響を与える数値ではありませんでした」。
 なんだかとっても腑におちない感じでした。

 気になるのは、私(左)が1ヶ月で0.1mmSV。(60~140μSV)
 に対して、
 ひびさん(右)が0.2mmSV(160~240μSV)だったこと。
 9月は私は出産のため入院していて、
 ひびさんは主に保育園と実家にいたわけで。
 健康に影響はない、としても、
 これだけ被曝してるんだよ、という現実です。

 せっかく日誌をつけてたのだから、
 どの日がどれだけの線量だったのか、知ることができれば、
 今後の生活行動の参考にもなるのに。。。
 と思いました。

 10,11月分の結果は、アドバイスつきでくるらしいですが、
 期待はしていません。

 引き続き内部被曝に注意しながら、過ごしていきたいと思います。

■粉ミルクからセシウム

 食品の暫定基準値の引き下げとか、
 乳幼児食品群を新設とか、
 今更ですか、って感じで。
 だーかーらー、自分で気をつけるしかないんじゃん!って言いたくなります。

 先日の報道で、粉ミルクからセシウムとありました。
 いくら暫定基準値を下回っても、
 怖い気持ちになりますよね。

 私は母乳で育てていますが、
 出かける時だけ、粉ミルクを使っています。
 母乳も大丈夫なのか?って思いますが、
 ミルクも注意が必要なのか・・・
 と、大変驚かされました。

 お米の問題にしてもそうですが、
 食品流通の、何を信じていいのか、何を選べばいいのか、
 とっても不安にさせられます。

■8万円、40万円

 マイミクさんも日記にしておられる方がいましたが、
 福島県の23市町村全住民に対して、
 精神的な損害賠償として、1人8万円、
 妊婦、18歳以下の子どもは、1人40万円が支払われることになりました。

 我が家の場合、
 義母 8万、
 夫 8万、
 私 8万? 40万?
 ひび 40万、
 カナ 40万?
 64万~136万の賠償額ってわけです。

 ?で示したように、
 いつの時点での妊婦なのか、
 いつの時点での子どもなのか、
 不明瞭な点も多いです。

「一定の放射線量が計測され、被曝への不安を感じて当然と考えられる地域」
 が対象となったようで、
 会津や県南の市町村は対象外となっています。

 金額に関しては、政府指示で強制的に避難させられた住民の
 賠償額を超えない範囲で検討されたらしいです。

 県としては、県民全体に賠償を求めていくようです。

 お金をもらえるけど、嬉しくないって感情は初めてですね。
 妊婦、子どもに関しては12月末までの賠償ってことですが、
 それ以外の住民は事故直後の損害が対象らしいです。

 まだまだ除染が進まず、
 これからも低線量地域に住み続ける不安を抱えているわけで。
 これから長い期間にわたって、賠償を検討してほしいと思うのは、
 私だけではないはずです。

 マイミクさんも言っていましたが、
 個々への賠償だけでなく、
 子どもたちが安心して遊べる施設をつくってほしかったり、
 除染活動を早急に進めてほしいとも思います。

 いくら賠償金が支払われても、
 そこに住み続けるのには変わりないのですから。

 お金も大切ですが、
 安心して住める環境が、
 子どもたちが安全に遊べる環境が、
 今すぐにほしいのです。

 つづく。

(配信 2011.12.10 サオリサオリ)

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