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 #235 外伝/湯豆腐について
by 榮ちゃん
 Photo by 榮ちゃん
 MP3 by 音楽の卵 "枕木"
 Site arranged by 葉羽

【外伝:湯豆腐について】(これも少し長いです。食い物の時は長いですね。)
 子供の頃は湯豆腐って「ごめんなさい」でした。 親戚で言えば、母方のやたらと歳が上の伯父さん。しかも職業は学校の先生というイメージ。何も批判も批評もできないけど、出来れば関わりたくない。そんな存在。 家で晩御飯が湯豆腐の時は、私だけマルシンハンバーグかボンカレー食べてた記憶があります。 しかし、しかし、いつの頃からか、この湯豆腐との夕刻からの逢瀬が楽しみになってきたのはなぜなのか。。。 最近は「湯豆腐は豆腐を煮てはいけない。豆腐に風呂に入ってもらう。」という境地であります。 「豆腐がグラリと揺れた時が食べごろ」と書いたのは伊丹十三でしたが、真ん中が冷たいところから始めるのがイイです。 しかし、こうなると豆腐の質がそのまま味の評価になるわけで、豆腐にこだわらないと失敗します。 (以下、すべて自己流なのでご批判なきよう) 最近はまず質の良い牛肉でしゃぶしゃぶをします。 (そんなものが無い時は頂き物の火腿で代用します) これは肉を美味しく頂いて、スープを残します。 要は豆腐のくぐる湯に少しばかりの脂を合わせたいのです。 次の日に昆布系のだし汁を合わせます。 これを冷たい状態から上質の豆腐を入れて湯豆腐にします。 豆腐は2日ほど冷蔵庫で水を切ってあります。 最初は豆腐の側が暖かく芯が冷たい状況で1きれ。 そこで火を止めて、あとは豆腐のアミノ酸が少しづつ活性化するのを感じながら、グダグダと楽しむと、豆腐一丁で日本酒が五合は無くなります。 豆腐は切らないでそのままという人も居ますが、私は一丁を16等分するのを常としております。 基本は木綿です。薬味はネギだけですね。これは食事というより豆腐と私の恋愛ゴッコみたいなものなので、あまり役者は多くない方が良いです。ネギはいつだって私の味方さ。 味付けは基本醤油ですが、柚子胡椒、塩、胡椒、七味、ナツメグ、山葵とバリエーション豊かにしてあります。素が良い豆腐は衣装が映えますから。 今日も湯豆腐との一夜を楽しみました。。。 後は「あら、貴方、そんなコタツで寝てると風邪ひきますよ」と声を掛けてくれる人が居たら良いなぁ(笑)。 ・・・今、そんな気分です。(2020.1.28掲載)

 

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