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 その16 変わった職場 

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“Walking Man” by Music of my Mind

鞍馬 この通信を見ている人の中には、今仕事をしているか、もしくは少なくとも一度はされて今に至っている方も多く含まれていると思います。

 皆さんは、入社する前に希望していた仕事が果たしてできているでしょうか?

 そして、今の仕事を楽しんでできているでしょうか?

採用情報

採用情報

(日本アドバンス・テクノロジー社HPより)

 就職活動をしているときには、自分かどうしてその会社の面接を受けに来たのか、論理的に説明するために、その会社に入ってからの自分についていろいろと思い巡らし、「こういう自分になりたい」と心に決めて、運よく実力を認められた人はめでたくその会社に採用されます。

 自分が持っていた思いはどうだったのかと、最近思うことがあります。

◆ ちょっと変わった職場の効果

 結論から言うと、一部共感できるところもありますが、今と当時とでは価値観が違うので、就職活動時のノートなどを読み返しても、まるで他人の夢を聞かされているようです。

 夢とか希望というものは、移ろってゆくものなのですね。

 なぜこんなことを考えるのかというと、今ちょっと変わった職場で働いていることに関係しています。

 今の職場には、他の会社や政府機関から派遣されている人や外国人など、いくつかの異なるプロジェクトのために雑多なバックグラウンドの人たちが集まって来ています。

 その中に、目前に就職活動を控えた学生さんたちが少なからず含まれているのです。

インターン

インターン

(NPO法人かものはしプロジェクトHPより)

 実は年齢の差がバリアになって、それほど話しかけられずにいるので、少ない会話の内容から勝手に想像しているだけなのですが、わざわざこんな活動に参加しているわけですから、ここで得た知識を就職にいかしたいとか、大学などで研究者になりたいなどの思いを持っているはずです。

 そんな年の違う同僚が何を考えているかなと思っている中で、就職活動をしていたころの自分のことを思い出しました。

 これは多様なバックグラウンドの人たちと一緒にいることの利点ですし、また、ある意味余計なことを考えてしまうので、悪影響でもあるといえます。

◆ 新入社員とベンチャー企業の共通点

 彼らのおかげで就職活動をしていた頃の、「あの仕事についたらばこんなことができて、大変だろうけど楽しいだろうな。」という感情を思い出しました。

 よくよく考えると、これは、仕事を一種の娯楽ととらえているようなものです。

 考えが甘いとかそういうことが言いたいわけではなく、つまり、希望の仕事についた新入社員たちは、仕事を楽しんでやろうという気持ちでいっぱいなはずだと言いたいのです。

 そういう新入社員たちが持ち込む、新しい空気が毎年入ってこないと、企業は継続的に成長できないという議論もよく耳にします。

新入社員

新入社員

(株式会社ウィズリンク社HPより)

 だから、たとえ不況でも新入社員を採り続けなければならないのだと。

 ここ数年、ベンチャー企業の育成をしようと国が考えているのも、これと似たような考えとしてとらえることができます。

 つまり、考えが凝り固まってしまった(そうとは限りませんが)、今ある大企業・中小企業の研究者だけでなく、ある技術を世に送り出すための努力をとことん楽しみ、すべてを賭けている、若手エンジニアや研究者を市場に登場させることが、国の成長のためには必要なのです。

 さしずめ、「日本という大企業に入ってくる新入社員」というところでしょうか。

◆ 失われつつある遊び心

 話が横道にそれましたが、そんなことを考えながら、遊び心を失って仕事をする方向に少しずつ向かいつつある自分に気づきました。

 以前も書きましたが、ベテランとそうでない人たちには、極端に言えば、「重鎮」と「問題児」のような役割分担があると思っています。

重鎮

重鎮

←重鎮と言えばやはりこの人。

 なので、私が少しずつ遊び心を失っていくのも、逃れられない運命なのかもしれません。

 本人はそうなることを望んでいないので、しばらく悪あがきを続けてみますが、とにもかくにも、私もあの頃に比べれば年をとったなとしみじみ思ってしまいます。

鞍馬【2019.11.12 リニューアル・アップ】

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