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 Photo by 大和伸一「震災被災地相馬」

   その12 命ある限り

「俺がいなくなったら誰が診察するんだ」

 原発から24キロ、南相馬市の「原町中央産婦人科医院」の高橋院長は現場に留まる事を決意した。

 他の医院は閉鎖が相次ぎ、旧知の医師から「早く逃げろ」と説得された。 でも逃げることはできなかった。

 検視で訪れた県立高体育館には出産に立ち会った母親の遺体もあった。

「この人たちの無念を考えると・・」

※高橋院長はその後身体の不調を感じて精密検査を受診し、末期の癌であることを知った。余命半年の宣告。結果を知った妻のトヨさん(68)は言う。「お父さんはできる限り医者を続けるだろうな。『手術室で死ぬんだ』と言っていた人だもん…。」

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