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 その97 消失トリック
「モーニングコーヒー」Benchi time

 これもある意味、人類の叡智。

 古今東西、様々なミステリ作家が知恵を振り絞り、いろいろなモノを『消失』させることでサプライズを演出してまいりました。

 死体が消えたり、凶器が消えたり、現場そのものが消えてしまったり…。

 そんな『消失』パターンを分類してしまった好事家も存在します。

 今回は、10年ほど前に『密室トリックの館』さんが分類された労作をご紹介したいと思います。

(※当該サイトは10年前から更新されておらず、現在はアフィリエイトCMでコンテンツが読めなくなっています。)

 

Ⅰ 人間の消失

 まずは、重要な登場人物らが消えてしまうパターンの4分類でございます。

 なお、(  )の中を反転表示させますと元ネタが使われた作家・作品名が見える様になります。これから読む予定があるなど知りたくない場合は、スルーして下さいませ。

1 早着替えや変装をするトリック

①早着替えをして、一瞬で別人に変装する。
ガストン・ルルー「黄色い部屋の謎」、高木彬光「月世界の女」

②主人が咄嗟に召使と入れ替わる。
ジョン・ディクスン・カー「青銅ランプの呪い」

③若い女性が服の下に女給仕人の服を着ている。素早く服を脱いで女給仕人になりすます。
ジョン・ディクスン・カー「外交的な、あまりにも外交的な」

④生えていた髭を一瞬で取り外す。
アドリアン・コナン・ドイルとジョン・ディクスン・カー「ハイゲイトの奇蹟事件」

⑤色の違った海水着を二重に着ていて、咄嗟に一枚を脱ぐ
大下宇陀児「蛭川博士」

⑥キャッチャーがベンチからクラブハウスへと移動する。その後、一塁手が同じように通路を歩いてクラブハウスに向かう。だが、クラブハウスの前にいた人間はキャッチャーは見たが、一塁手は見ていないと言う。通路を探してみても誰の姿もない。→キャッチャーは通路の途中でマスク等を脱ぎ捨て、クラブハウス前に人が来る前に通路を抜け出た。一塁手はマスク等を被って、キャッチャーの振りをしてクラブハウスの前を通った。
ジョン・L・ブリーン「魔の背番号12」

⑦温度によって瞬間的に色が変わる温感変色衣料を着ておく。
斎藤栄「雪の魔方陣」

⑧風呂敷を利用して、自分の服装を違ったものに見せる。
仁木悦子「灰色の手袋」

⑨犯人が蝋人形に化ける。
ジョン・ディクスン・カー「蝋人形館の殺人」、江戸川乱歩「吸血鬼」

⑩犯人が案山子に化ける。
モーリス・ルブラン「見えざる捕虜」

⑪白いシーツを被って雪に同化する。
宮原龍雄「雪の中の標的」

葉羽最後の4つ…風呂敷を使ったり、蝋人形や案山子に化けたり、シーツで雪に同化するあたりになりますと、かなり『脱力系』のトリックのような気がします。

2 居場所を誤認させるトリック

①目印となっている貼り紙を移動させて、入っている電話ボックスを誤認させる。
クレイトン・ロースン「天外消失」

②部屋がたくさんあったため目撃者が部屋を誤認する。
水上幻一郎「青髭の密室」

③大きな音を立てて部屋のドアを開閉する。しかし、その部屋には入らない。だが、他の人はその部屋に入ったと思っているので消失したように見える。
左右田謙「山荘殺人事件」

④渡り廊下の真ん中に大きな鏡を立てて、それに映る虚像を見せて犯人が忍び込んだ部屋の位置を誤認させる。
我孫子武丸「8の殺人」

葉羽2番目…「部屋がたくさんあった」って、かなりいい加減な証言(笑) 最後の鏡を使ったトリックは『金田一少年の事件簿』にもありました。

3 元々存在しなかったパターン

①鏡に映っていたため、1人の人間が2人に見えた。
ジョン・ディクスン・カー「三つの棺」、G・K・チェスタートン「通路の人影」

②室内から二人分の声がするが、室内に入ると一人しかいない。→室内にいたのは手品師で腹話術の練習をしていた。元々室内には一人しかいなかった。
G・K・チェスタートン「グラス氏の失踪」

③Aという人間がいる。近くにはBという人間しかいない。Bは口を閉じているが、Aには自分に話しかける誰かの声が聞こえる。→Bは腹話術を使ってAに話しかけていた。
ジョン・ディクスン・カー「奇蹟を解く男」、ジョン・ディクスン・カー「ささやく影」

葉羽今となっては、「鏡」や「腹話術」で誤認させるだけでは読者が納得しないチープなトリックでしょう。

4 その他

①花瓶の中に隠れる。
江戸川乱歩「孤島の鬼」

②皆がそれぞれの理由でそんな人間は存在しなかったと嘘を吐いたため、その人間が存在していなかったように見える状態になる。
エドワード・D・ホック「革服の男の謎」

葉羽「みんなが嘘をつく」…全員が犯人という有名なミステリもありましたね。


    

Ⅱ 死体の消失

 さて二つ目は、死体が消失するトリックでございます。

1 文字通り消失させるトリック

①犯人が死体を食べる。(ロード・ダンセイニ「二瓶のソース」

②犬に食べさせる。(水上勉「眼」

③鳥に食べさせる。(アーサー・ウィリアムズ「この手で人を殺してから」

④ニシキヘビの消化液をタンクに溜め、その中に人間を入れて溶かす。
海野十三「爬虫館事件」

⑤死体を薬で溶かす。
谷崎潤一郎「白昼鬼語」、松本清張「眼の壁」

⑥死体を焼却する。
江戸川乱歩「湖畔亭事件」、エラリイ・クイーン「七匹の黒猫」ほか作例多数

⑦海辺に男が倒れている。駆け寄って脈を取ると反応がない。死んでいると思って人を呼びに行き、戻ってくると死体がなくなっている。→実は倒れていた男は死んでいなかった。テニスボールを脇に挟んで脈を止めていたのである。そして、発見者がいなくなってから歩いて移動したのである。
ジョン・ディクスン・カー「暁の出来事」

葉羽死体を焼却し、残った骨を砕いて焼き物作品に加え、誰も実現できなかった色を出す…というのが浅見光彦ミステリにありました。その動機が泣けるんですけれど…。

2 居場所を誤認させるトリック

①ドアがたくさんある長い廊下の奥に偽の壁を作り、部屋を誤認させる。
歌野晶午「長い家の殺人」

3 意外な場所に隠すトリック

①土の中に埋める。(作例多数

②古井戸を埋めると称して地中に埋める。(江戸川乱歩「双生児」

③馬の腹を切り裂いてその中に死体を入れ、馬ごと埋葬する。
佐野洋「牧場に消える」

④発掘済みの古墳の中。 (H・C・ベイリー「長い墓」

⑤架空の人物の墓地を作り、埋葬する。
ジョナサン・ラティマー「モルグの女」

⑥水中に沈める。(作例多数

⑦数日後にダムができて水没することになっている場所にある古井戸に死体を埋める。
江戸川乱歩「十字路」

⑧風船に縛り付けて空中埋葬する。(水谷準「お・それ・みを」

⑨まだ雪が積もっていて森を覆い隠しているときに崖から転落して雪の上に落ちる。雪が解けて森が露出した時、森の上の方に引っ掛かってそのままになる。(角田喜久雄「死体昇天」

⑩煉瓦または壁の中に塗りこめる。
エドガー・アラン・ポー「黒猫」、江戸川乱歩「パノラマ島奇談」

⑪トランクの中。
江戸川乱歩「湖畔亭事件」、エラリイ・クイーン「三つのR」

⑫コントラバスの箱の中。(横溝正史「蝶々殺人事件」

⑬1つの棺に2人の人間を入れる。

コナン・ドイル「フランシス・カーファックス姫の失踪」、エラリー・クイーン「ギリシャ棺の秘密」

⑭樽の中。(F・W・クロフツ「樽」

⑮冷蔵庫の中。(大下宇陀児「紅座の庖厨」

⑯大きなゴミ箱の中。
江戸川乱歩「一寸法師」、G・K・チェスタートン「孔雀の家」

⑰雪だるまの中。 (ニコラス・ブレイク「雪だるま殺人事件」、江戸川乱歩「盲獣」、ヒルダ・ロレンス「雪の上の血」

⑱ホテル内の1室で男女の死体が発見される。しかし、現場には男の下半身と女の上半身しかなかった。それぞれの半身はどこに消えたのか。→犯人は事故のため下半身がなく、いつも車椅子に乗っている第一発見者だった。彼は外で殺した男の下半身を自分の義足の部分にあてがって室内に持ち込んだ。そして、代わりに女の下半身を義足の部分にあてがって室外に持ち出そうとした。
法月綸太郎「重ねて二つ」

⑲洋服掛けの外套の中。(G・K・チェスタートン「翼ある剣」

⑳鏡の扉のついた押入れの中
エラリイ・クイーン「気ちがいティーパーティー」

㉑将軍が負けるとわかっている戦闘を開始して戦死者の山を築き、その中に自分が殺した死体を混ぜる。(G・K・チェスタートン「折れた剣」

葉羽風船に縛り付けて空中埋葬…って、埋葬してねーし。どっかに落ちてくるし。

4 死体を他のものにするトリック

①死体を死蝋にする。(江戸川乱歩「白昼夢」

②死体をミイラにする。
オースチン・フリーマン長編、コナン・ドイル短編など

③死体にメッキをして銅像のようにしてしまう。
ジョン・ディクスン・カー長編、ドロシー・L・セイヤーズ短編

④死体を案山子にする。(水上勉「案山子」

⑤軍隊の射的人形の中に混ぜる。(ジョン・ディクスン・カー長編

⑥死体をバラバラにして人体標本にする。
高木彬光「人形はなぜ殺される」

⑦セメントの炉に投入してセメントの粉にする。
葉山嘉樹「セメント樽の中の手紙」

⑧死体をバラバラにしてパラフィンで固め、その後、材木を削る機械に掛け、紙のようにして捨てる。(松本清張「影の地帯」

⑨パルプに混ぜて紙にしてしまう。(楠田匡介「人間詩集」

⑩人間を液体空気の中に入れ、その後粉々に砕く。気球から湖にばらまき、魚の餌にする。(海野十三「人間灰」

葉羽死体にメッキというのがありますが、裏切った女性に金箔を施し、皮膚呼吸をできなくして殺害した007『ゴールドフィンガー』は衝撃的でした。皮膚呼吸をとめるだけで人間が死ぬという事も初めて知りましたし…空前絶後の殺害方法でしょう。


 

Ⅲ 凶器の消失

 犯人と目される人物はいるのに、凶器が発見されなくて犯人と断定できないパターンですね。

①即席拳銃を作る…鉛管の中に弾丸を入れ、万力で固定する。鉛管を熱することで弾丸が発射される。(クレイトン・ロースン「世に不可能ごとなし」

②拳銃を分解して食べる。(B・プロンジーニ「有罪証拠」

③小型のピストルを馬の口の中に隠す。
エラリー・クイーン「アメリカ銃の謎」

④停電中に刺殺してから、凶器を毛がふさふさな室内犬の胴にゴムテープでくくりつけ、室外に運び去らせる。(土屋隆夫「地獄から来た天使」

⑤凍った羊肉で撲殺した後、その肉を食べる。
ロアルド・ダール「おとなしい凶器」

⑥餅を使って撲殺した後、その餅を食べる。(松本清張「凶器」

⑦砂漠を旅行中、靴下に砂を詰めて撲殺。砂はすぐに砂漠に戻す。
アガサ・クリスティ「バグダッドの門」

⑧氷の塊で撲殺。後で解けてなくなる。
ニコラス・オールド「見えない凶器」

⑨密室内にいる人物が注射器で毒物を注入されて殺害される。犯人は密室内におり、凶器も持ち出されていないはずなのに、注射器はどこにもない。→殺害後、凶器をエレベーター内に転がす。別の階にいた共犯者が回収する。
有栖川有栖「八角形の罠」

⑩紅茶の中に毒が入っており、それを飲んだ人間が死亡する。部屋には何人かおり、最後に紅茶を渡した人間が怪しいが、彼女は両手でトレイを持っており、毒を入れるのは不可能に見えた。→実はトレイを受け取る直前に中心部に毒が入った氷を口に含んでいた。トレイを受け取ってから他の人の目を盗んで毒入り氷を殺したい相手のティーカップの中に落とした。
有栖川有栖「ロシア紅茶の謎」

⑪小型の拳銃をビンの中に隠す。(エラリー・クインーン「帝王死す」

⑫鋭いガラスの破片で刺殺してから血を拭い、金魚鉢のようなガラスの容器に沈める。
ジョン・ディクスン・カー「目に見えぬ凶器」、江戸川乱歩「凶器」

⑬レージイ・トングズ(×××型の伸び縮みするおもちゃ)で少し開いた窓のカーテンの隙間から室内の卓上の凶器をつまんで別の凶器と取替え証拠を隠滅する。(ジョン・ディクスン・カー長編

葉羽拳銃を分解して……食べるぅ!!!?


 

Ⅳ 文書や紙幣の消失

 これは割と簡単かな。

1 文字通り、消失させるトリック

①窓の縁に下っぷくれの水瓶を置く。ガラスがレンズとなって太陽の光を集め、紙幣が燃えてなくなる。(モーリス・ルブラン「水瓶」

2 意外な場所に隠すトリック

①重要な手紙をわざと誰の目にもつくところに置いておく。大事なものはどこかに隠すと普通は思うので、かえって見付けにくくなる。
エドガー・アラン・ポー「盗まれた手紙」

②暖炉の中。(ジョン・ディクスン・カー「パリから来た紳士」

③暖房機(ラジエーター)の中に隠す。
ジョン・ディクスン・カー「ホット・マネー」

④持ち主の背中に貼る。(ジョン・F・スーター「不可能窃盗」

⑤義眼の虚ろの中に折り畳んだ紙片を隠す。
モーリス・ルブラン「水晶の栓」

⑥猫の義眼の中に小さく折り畳んだ手紙を入れておく。
横溝正史「蝋人形殺人事件」

⑦貴重な切手を普通の切手の裏に貼り合わせる。
エラリー・クイーン「黒の一ペニー切手の冒険」


 

Ⅴ 宝石、金貨、貴重品の消失

 これは、上の「文書・紙幣」と似たようなものもあります。

1 動物や昆虫を利用するトリック

①鵞鳥に食べさせる。(コナン・ドイル「青い紅玉」

②ダチョウに食べさせる。(西東登「熱砂の渇き」

③鰐に食べさせる。(R・キャンベル「鰐のひと噛み」

④コカインを飲み込ませた猿を、更に大蛇に飲み込ませる。
D・ウェストレイク「うまい話」

⑤大きな魚の内臓に宝石を隠す。(G・ヴィリエ「セイロン舎利塔の秘密」

⑥麻薬をゴムの袋の中に入れ、番犬の口の中に隠しておく。
アガサ・クリスティ「ケルベロスの捕獲」

⑦博物館に置いてある剥製のカンガルーのポケットの中。
ウイリアム・ブルテン「ストラング先生と博物館見学」

⑧鸚鵡に宝石を盗ませる。(アーサー・モリスン「レントン館盗難事件」

⑨伝書鳩に運ばせる。(ジャック・フットレル「消えた首飾り」

⑩コウノトリに運ばせる。
E・ウェレン&J・パークター「コウノトリの旅」

⑪会社にあるアイソトープ(金属で特殊な粉末状の白金)をお菓子の上に振りかける。飼っている蜜蜂が犯人の家に持ち帰る。
アーサー・ポージス「小さな共犯者」

2 意外な場所に隠すトリック

①ネックレスをクリスマス・ツリーの装飾に引っ掛ける。
ドロシー・L・セイヤーズ「真珠の首飾り」

②石膏像の中に隠す。(コナン・ドイル「六つのナポレオン胸像」

③金貨を溶かして、のべ金にした上、紙のように薄く叩きのばし、家中の壁に貼り、その上から普通の壁紙を貼る。(ロバート・バー「遺産の隠し場」

④酒瓶の中。(アーサー・モリスン「緑のダイヤ」

⑤アルミ缶の中。(エラリー・クイーン「宝探しの冒険」

⑥フットボールの中。(エラリー・クイーン「トロイの馬」

⑦化粧クリームの中。(江戸川乱歩「一寸帽子」

⑧南京豆の殻の中。(J・マッカレー「地下鉄サム」

⑨弾丸の中にダイヤモンドを隠し、警察と応戦している最中に室外にある柔らかいもの目掛けて撃ち込む。(アーサー・ポージズ「インドダイヤの謎」

⑩小粒のダイヤに糖衣をかぶせ、健胃剤のビンに入れて持ち歩く。
ジョン・ディクスン・カー「銀色のカーテン」

⑪車のガソリン・タンクの中。(ロバート・L・パイク「猫の目」

⑫碁盤の足の中。(甲賀三郎「水晶の角玉」

⑬ショールの中。(モーリス・ルブラン「赤い絹の肩掛け」

⑭巨大な蟻塚の中。(M・D・ポースト「大暗号」

3 その他

①本物の宝石なのに偽物だと騒ぐ。その騒ぎに乗じて本当に本物と偽者をすり替える。(エラリー・クイーン「クリスマスと人形」

②壺の中に壺の口より大きい鍵が入っている。その鍵が外に出る。→その鍵はお湯に入れると溶ける金属でできていた。後で型にはめるとまた元に戻る。
森博嗣「封印再度」

葉羽う~ん…最後のは読んだことありませんが、「型」があるなら別に取り出さなくてもいいのでは?


 

Ⅵ 巨大なものの消失

 これは圧巻。とにかくドデカイものを消す方法。

①家の消失→家だと思ったら実はトレーラーハウスだった。
ウィル・スコット「消え失せた家」

②家の消失→火事で消失した後、火事の痕跡を消す。
泡坂妻夫「砂蛾家の消失」

③館の消失→その館は永久凍土の上に建っていた。その館で火災が発生し、氷が割れて水没した。その後の吹雪で穴は塞がった。
二階堂黎人「ロシア館の謎」

④フロアの消失→その建物は螺旋状の構造になっており、歩いているうちに違うフロアに行くようになっていた。
我孫子武丸「バベルの塔の犯罪」

⑤部屋の消失→部屋の装飾をかえる。
ジョン・ディクスン・カー「見知らぬ部屋の犯罪」

⑥部屋の消失→部屋に見えるが、実はエレベーターだった。
エドワード・D・ホック「幻の談話室の謎」

⑦列車の消失→必要な車両だけ連結を外し、支線に誘導する。
ヴィクター・L・ホワイトチャーチ「ギルバート・マレル卿の絵」、コナン・ドイル「消えた特急」

⑧列車の消失→ワイロを貰った駅長が列車が通過していないのに「通過をした」と嘘を吐く。(エラリー・クイーン「七月の雪つぶて」

⑨名馬の毛色を染料で塗りつぶし、他の馬のように見せる。
コナン・ドイル「銀星号事件」

⑩船や自動車の色を急に塗り替える。(F・W・クロフツ長編

⑪スクールバスの消失。→より大きなトレーラー・トラックの荷台に載せて運ぶ。(ヒュウ・ペンティコースト「子供たちが消えた日」

⑫ピアノを分解して運び出す。(M・カンター「ピアノ盗難事件」

葉羽やはり大きなモノが消失するストーリーはインパクト大です。「街が消える」という話も実際ありました。Googleがイタズラしてmapの中に架空の街を書き込んでいたというもの。さすがアメリカ、やるもんです。


    

Ⅵ その他の消失

 最後は、上述以外のケース。

①淋しい場所で殺さず、大群衆の中で殺すことによって犯行を目立たなくさせる。(G・K・チェスタートン「銅鑼の神」

②飛行機の爆音がしているときに銃を発射し、銃声の音を消す。
アガサ・クリスティ「なぜエヴァンスに頼まなかったのか?」

③ペンキを塗ることによって死体の匂いを消失させる。(コナン・ドイル短篇

④ゴミの山を築いて庭に埋めた死体の匂いを消失させる。
歌野晶午「烏勘定」

⑤犯行時に用いた白手袋を雪の上に捨てる。
ニコラス・ブレイク「暗殺者」

葉羽ゴルゴ13では、花火に合わせて狙撃し銃声をかき消すというのがありました。


 こうしてネタバレの部分だけを見ると荒唐無稽…と言いますか、「すぐバレるだろ」というのも少なくないのですが、それでも読者を引き込むのはやはり作者の話術のなせるわざなんでしょうね。

 引用させていただいた『密室トリックの館』の管理人さん、hagoromo0121さんに感謝でございます。

 《配信:2016.5.8》

葉羽葉羽 それでは僕もこのへんでドロンさせていただきます。

 

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