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 その76 キューブリックのような
「モーニングコーヒー」Benchi time

 これぞデザイン。

 さて、まるでスタンリー・キューブリックの「2001年宇宙の旅」に出てくるような、この未来的なデザイン。

 これはいったい何でしょう?

 実験室…?

 画廊…?

 うぬぬぬぬ…まるで「007」の悪役のアジトのようでもありますが。

 しかしこの“シンメトリー”…どこかで見たような?

 そう…大きな都会に住む人ならば、きっと毎日、目にしているはずなのですが…。

 おや?

 たしかにこの景色、見たことがあるような…そんな気がしませんか。

 では、この場所から上を見上げた写真を一枚。

 ええー!!

 分りかけていたのに、むしろ分らなくなった…って、あはははは!

 では、そろそろ答えを。

 ほらね、もう分かったでしょう?

 ん? 分りそうだが分らない?

 では、決定的なヤツを。

 どうです、このシンメトリーなら?

 そうそう、その両側に伸びているのは…線路!!

 ここの両側も線路。

 つまりここは、地下鉄のホームなのです。

 で、これが地上へ続くエスカレーターの昇り口。

 しかしまあ、何とカラフルでスタイリッシュなデザインなのでしょう。

 そして、清潔で美しい。

 まるで、ミュージアムのギャラリーのようではありませんか。

 これらは、ミュンヘン地下鉄の駅の写真なのです。

 今度は、人も写っている写真で。

Westfriedhof駅

 最初に掲げた写真は、ミュンヘン地下鉄のWestfriedhof駅。

 照明デザインの巨匠インゴ・マウラーが空間照明を手がけたものです。

 そして、両面が原色パネルに彩られた写真は、同じミュンヘン鉄道のGeorg-brauchle Ring駅。

Georg-brauchle Ring駅

 こんなスタイリッシュなミュンヘン鉄道と比べますと、わが国の地下鉄は機能性優先の無味乾燥なデザインです。

 また、そこに隙間があれば、ことごとく宣伝看板で埋め尽くすという、雑多なコマーシャル空間。

 こんなところにも“心の豊かさ”や“国の品格”というものが出てしまうようです。

 では最後にもう一枚。

 ミュンヘン地下鉄の車両の内部です。

 なんと広々としたシート。

 東京のすし詰め車両では考えられないことです。

 要するに、日本の大都会はヒューマン・スケールを超えてしまったのかも知れません。

  ひとつオマケに上海の観光地下鉄の写真を。(※通常の路線とは別料金)

 《配信:2013.1.21》

葉羽葉羽 うっ…違うんだ、そうじゃないんだ!僕が言いたいのは<上海路線

 

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