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 その36 生物多様性の謎
「モーニングコーヒー」Benchi time

 「生物多様性」に関する疑問について書こうとしていましたら、我が敬愛する中部大学の武田邦彦教授が先にサイトにアップされていました。

 先生は、『引用はご自由にどうぞ』とされているので、そのまま全文を掲載させていただくことにしました。

 そうなんですよ…生物の歴史は絶滅と進化の歴史、いったいこの地球上には、生物種がどのくらいあるのが適当なんでしょうか、そもそも。

 (以下、武田邦彦教授のホームページから引用)

  「生物多様性」の何が悪いのか? 1 生物種の数は?

 生物多様性会議(正しくは“生物多様性条約第10回締約国会議”、通称COP10)が名古屋で行われている。しかし、もう一つ人気がない。

 地球上の生物は3000万種と言い、とても豊富で「多様性」が保たれている.生物が多様である(細菌のような単細胞生物から始まって、植物、動物、人間に到るまで)ことは直感的にも大切なように思う。

 でも、なにかCOP10には「いい加減さ」がある。それもかなりひどい「いい加減さ」が目立つので、それが支持されない原因だろう。

 COP10の支援団体によると、「現在、地球上に3000万種ほどの生物がいるが、毎年、4万種の生物が絶滅している」と言っている。

 ここで、まず第一のCOP10の「いい加減さ」だ。地球上に3000万種という生物種の数は多すぎるだろう。つまり、生物が元気なためには生物の種類があるていど少なく、「より進化した生物」が出現するぐらいの余裕があるのが良い。

 その意味では、恐竜絶滅直後より主の数が多い方が良いけれど、1000万種ぐらいが適当だろう.そうなると2000万種を減らさなければならないから、現在の毎年4万種の絶滅で、500年かかる。

 だから今、多様性を保とうなどとする必要は無い。

 むしろ、これから500年の間に、「生物種の数と環境」の研究を進めておけばよい。というのは、生物学で「この地球に何万種の生物がいる状態が一番良い」ということがまだ出されていないからだ。

 第二に、COP10のいい加減さは、「絶滅種の代わりに出てくる新種」がどのぐらいかを示していないことだ。

 たとえば、年間4万種が絶滅しても、新たに5万種が誕生すれば、差し引き1万種の増加になる。

 公的な機関が自らが有利になるために、情報の一部を故意に隠蔽するという「手法」は当たり前になったというぐらい多い。

 たとえば、「温暖化すると南極の氷が減る(ウソ)」という報道では「融ける氷」の方だけを映像にして流し、「南極大陸の中央部でできる氷」はまったく報道されなかった。

 その結果、多くの人が騙されたが、もちろん放送局はプラスマイナスがあることをよく知っていた。

 レジ袋では、「レジ袋を無くすと20万トンの石油が節約される」とだけ言い、「レジ袋の代わりに使われるエコバッグ、家庭で使用されるポリ袋、そしてゴミ袋」が増える量が80万トン以上に上ることは一切、自治体は触れなかった。

 昔から、自治体がこのようなウソを続ける機関だったのか、それとも最近の事なのか、ハッキリしたデータはないが、情けない自治体である。

 情けない役人、情けない専門家が増えたものだ。役人も専門家もCOP10のいい加減さを「知っているのに言わずに騙す」というのは私には「サギ」に見える。その意味で現在のCOP10の支援団体はサギ集団だ。

 「サギ」をするには「儲かる」からだが、COP10でもうけている人は多い。

 1) 自治体の役人、 2)支援団体の人、 3)イベントの人、4)御用学者、 5)国立環境研究所、6)外来種排除の人、7)新聞やテレビ、8)関連工事会社、そして最期に仕掛け人としての 9)環境省

 である。アメリカが熱心だった頃のCOP10では、これに 10)薬品会社、11)食品会社 が加わっていたが、まだ残っている。

 つまり「チーム利権11」の中で、「ビジネス組」が少し減って、「税金組」がやや押してきたのが名古屋のCOP10だが、質は悪くなっているように感じられる。

(平成22年10月24日 執筆)

 武田邦彦

(~引用 ここまで~)

 《配信:2010.10.28》

葉羽葉羽 この問題には他にも指摘したいことがありますので、それは通信another world.でフォローします。

 

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