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 その14 競馬と考古学と人類の未来
「モーニングコーヒー」Benchi time

 この三つには、大いなる関連性が…。

1 学芸員の手前味噌

 会津地域のミニコミ誌で「会津嶺(あいづね)」っていうのがあるんですよ。

 普通の地域のミニコミ誌って、コマーシャルが多かったり若者向けだったりするんですけど、この「会津嶺」は地域の自然や文化風土をテーマにしているスグレモノ。

 そんな中に、県立博物館職員が交代で書いているコーナー“学芸員の手前味噌”があります。

 12月号の担当は横須賀倫達学芸員。新進気鋭の注目株です。

 そして、今回の執筆テーマがこの「競馬と考古学と人類の未来」。

 なんだよソレ、どういう関係があるんだよ? ~というタイトルですが、実はこの三つは彼の中で切っても切り離せない関係があったのです。

オグリキャップ

(1990年有馬記念)

 彼が、最初に「ウマ」に興味を持ったのは高校生の時…

 ~(以下記事から引用)~

「1990年12月、高校生の私はテレビに映る一頭の馬に感動していた。

 その馬の名はオグリキャップ。

 エリートとはほど遠い血統のこの馬は、デビュー依頼エリートたちをなぎ倒し、一躍スターにのし上がった。

 ついたあだ名は「野武士」。

 その後オグリキャップは、心ないオーナーによって酷使され、疲労がピークに達したのか、1990年は大スランプに陥っていた。

 「オグリキャップはもう終わった」、世間はそう言い、私もそう思っていた。

 そして迎えた暮れの「有馬記念」。

 引退レースとして臨んだオグリキャップは、懸命に走り、そして勝った。

 世間の前評判を覆し、エリートたちをなぎ倒し、みごと先頭でゴールしたのである。

 決して血統の良いわけでない私(父上、母上ごめんなさい)は、その姿を目の当たりにし、涙を流し、オグリキャップの、そして馬の(競馬の)大ファンになった。」

2 考古学に決めた理由

 その後、彼は大学の人文系学部に進みます。

 その大学では2年生になると自分の専攻コースを選ばねばならず、どの道に進もうか悩んだのです。

 大まかに“歴史系”という希望はもっていたものの、中近世史、外国史、考古学・・・選択肢は実に幅広い。

 ~(以下記事から引用)~

「そんな折、図書館で出会った本が江上波夫著『騎馬民族国家』(中央新書)である。

騎馬民族国家

(江上波夫:著)

 日本列島は古墳時代に朝鮮半島から渡ってきた騎馬民族により征服され、その王の末裔が現在の天皇家である…。

 その物語性を帯びた壮大な学説は……」 

 うーん、なるほど!

 この壮大な学説に感銘を受けて考古学に決めたんだ。

 で、その理由は・・・

「…馬好き(競馬好き?)であった私をすぐに虜にした。」

 そこかいっ!!!

3 ウマの研究

 横須賀学芸員は、その情熱をウマの研究に捧げるべく、大学院を卒業後、福島県立博物館に勤務することに。

 担当は考古の古墳時代。

 2006年には、自分の研究成果を企画展「馬と人とのクロニクル(年代記)」において発表。

 2008年には、「考古学から探る古代会津」。

 並行して行った遺跡発掘作業や論文公表においても大きな成果を収め、いまや飛ぶ鳥を落とす勢いでございます。

馬と人とのクロニクル(年代記)

(福島県立博物館企画展図録)

 彼は、常に思索しています…

「我々が向かっている世界は、いったいどのような在り様なのだろう。

 そして馬は、考古学は、歴史は何を教えてくれるのだろう。」

 …そんな事を思いながら、競馬新聞に赤ペンを走らせていると、幼稚園に通っている娘さんの声が聞こえてきたのです。

 

「まぁたけいば~、どうせ当らないのに」

 

 うるさい、今は歴史と話してるんだ!!(爆)

 《配信:2009.12.24》

葉羽葉羽 お嬢ちゃん、それを言っちゃ、だめ!だめっ!!

  (ToT)  (ToT)  (ToT)  (ToT)  (ToT)

 

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